社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

解雇の意思表示の撤回は認められるか   [2016.03.09]

一旦解雇の通告をした後で、会社側の事情によりそれを撤回することができるでしょうか。

 

結論を先に言うと、一旦解雇を言い渡してしまうと、労働者からの同意がなければ撤回できません。「お前は明日から来なくていい!」と言うなど、解雇予告手続を踏んでいない解雇に対して、労働者は①解雇無効だから在籍していると主張する②解雇有効を前提としての予告手当支払いを求める、のどちらかを選べることになります。

 

なぜ解雇を撤回したいのか

解雇撤回の主な理由は金銭的なものでしょう。労働者に即時解雇を通告した後、労働者から解雇予告手当を請求されると(お金を払いたくないなどの理由で)即時解雇を撤回し、合意退職などの交渉をする場合があります。最近では、国からの助成金をもらっている関係で、いったん提示した「解雇」を白紙に戻したいと申し出るケースも増えています(多くの助成金では「解雇を一定期間行っていないこと」が受給要件となっている)。

 しかし、解雇とは本来一方的に会社が解約を言うわけですから、労働者に到達した時点で効力が発生します。つまり、原則として労働者の同意がない限り、撤回することはできません。労働者側の立場で言うと、会社のさじ加減で一方的に解雇や撤回が認められていては労働者が不利になるため、労働者が「自由に同意できる環境下で」撤回に応じた場合にのみ解雇の撤回ができるとされます。

一旦「解雇」と口に出してしまうと、それは取り消せないばかりか、もっと大きなトラブルに発展することがあります。会社側は十分慎重に事を進めなければなりません。

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