社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

年金分割②   [2019.03.27]

前回の記事で年金分割の2種類の制度を紹介をしました。今回は二つの制度をより具体的に見ていきましょう。

前回のおさらい
まず、2種類の制度ですが、当事者の一方からの請求(請求は離婚日の翌日から起算して2年以内に行うこと)により、婚姻期間中の年金記録を当事者間で分割することができる制度です。

分割される年金記録の対象は?

この年金記録の対象とは、厚生年金・旧共済年金です(平成27年10月に厚生年金に一元化)。公的年金の中でも国民年金、国民年金基金、厚生年金基金(厚生年金の代行部分は除く)、確定給付企業年金および確定拠出年金(401k)は年金分割の対象となりません。また個々で加入している私的年金(生命保険等)も同様に年金分割の対象となりません。

合意分割と3号分割の相違点
相違点ですが、いくつか決定的な違いがありますので順を追ってみていきましょう。

請求方法

合意分割の場合
当事者双方のうち、どちらか一方からの請求によって分割することが出来ます。
3号分割の場合
どちらか一方、ではなく、必ず国民年金第3号被保険者であった方からの請求が必要です。

分割の決定について

合意分割の場合

厚生年金記録の分割に関し、原則的には当事者双方の協議及び合意のもとにより定める按分割合となります。
ちなみに按分割合のルールとして、下限は年金分割する前の夫婦の合計表示順報酬総額における標準報酬の少ない方の割合、上限は50%と定められております。(下限を設けることで、少ない側が本来受け取るはずの年金額を下回らないよう保証し、上限を設定することで、年金分割の趣旨、夫婦の共有財産の平等な分割を実現させています。)

なお、合意に至らない場合、当事者の一方の申し出により家庭裁判所に調停や審判申し立てることにより、年金分割をすることが出来ます。(裁判所の按分になりますとおおよそ50%になります。平成27年司法統計では8396件中8269件が50%の決定が下っています)

3号分割の場合
一律50%になります。合意分割と異なり合意の必要はありません。

ただし、ここで注意が必要なのは、3号分割には期間の制限があるということです。具体的にいうと、3号分割が可能な期間は、平成20年4月1日からの第3号被保険者期間です。(3号分割の制度が平成20年4月1日に施行された為、かかるようにルール付けされました。)
平成20年3月31日までの第3号被保険者期間は合意分割に則り請求することになります。

以上が年金分割の仕組、注意すべきポイントになります。
次回は実際の計算方法、実際の流れを見ていきましょう。

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