社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

給付基礎日額とは   [2020.11.03]

労災保険給付においては、療養(補償)給付、介護(補償)給付及び二次健康診断等給付以外の保険給付は、原則として被災された方の稼得能力(つまり被災当時の給与額)によって保険給付額が異なります。これは、労災保険が災害によって失われた稼得能力のてん補を目的とするからであり、具体的な保険給付額を算出する方法として、「給付基礎日額」というものを用います。

 

給付基礎日額とは、原則として労働基準法の平均賃金に相当する額をいいます。この平均賃金とは、原則として、業務上又は通勤による負傷や死亡の原因となった事故が発生した日又は医師の診断によって疾病の発生が確定した日(賃金締切日が定められているときは、その日の直前の賃金締切日)の直前3か月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の暦日数で割った1暦日あたりの賃金額のことです。

 

給付基礎日額の最低保障額(自動変更対象額)について

労災保険の給付は、被災された労働者の被災日以前3ヶ月間に支払われた賃金を基礎として計算される給付基礎日額を基に算定されることとなりますが、最低保障額として定められた額(自動変更対象額)に満たない場合は、最低保障額を給付基礎日額とします。

ただし、スライド制(※後述)が適用されることにより最低保障額を超えないときに限り、最低保障額をスライド率で除した額を給付基礎日額とすることとなります。

今年は給付基礎日額の最低保障額の改定を行わず、前年と同じ3,970円となります。

 

スライド制

また、労災保険年金額については、原則として算定事由発生日(被災日)の賃金を基に算定した給付基礎日額に給付の種類等に応じた給付日数を乗じて算定されています。

しかし、年金は長期にわたって給付することになるため、被災時の賃金によって補償を続けていくとすると、その後の賃金水準の変動が反映されないこととなり、また、過去に被災した労働者と近年被災した労働者との補償水準が大きく異なってくる等、公平性を欠くこととなります。

 

このため、労災保険においては、給付基礎日額を賃金水準の変動に応じて改定する制度(スライド制)を取り入れています。

 

スライドによる年金額の改定は、一般の労働者一人あたりの平均給与額の変動率を基準として、厚生労働大臣が定める改定率(スライド率)により、翌年度の8月1日以降に支給すべき年金給付について行われます。

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