社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

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男性の育児休業についての注意点   [ 2020.02.21 ]

イクメンという言葉があるように、男性の育児参加は世の中の関心ごとです。育児休業については女性だけでなく男性も取得できまが、取得開始時期や育休プラス制度など、ルールが一部女性と違います。以下男性の育児休業について解説します。

 

対象者

育児休業の対象となる男性は原則として次のとおりです。

・同一事業主に1年以上雇用されている

・子供が1歳未満(1歳の誕生日を迎えていない)

・子供が1歳になった後も引き続き雇用予定

・子供が1歳6ヶ月になる日の前日までに雇用契約が終了する予定ではない

・週3日以上勤務をしている

 

雇用保険に加入している人であれば多くの男性が育児休業の取得対象となります。

 

期間

女性については産後56日経過した後に育児休業が始まりますが、男性については出産日当日から育児休業の取得が可能です。終了期は「子供が産まれてから1年(子供の1歳の誕生日の前日まで)」です。

 

届出

会社に対して育児休業の申し出をするのは原則として1ヶ月前など事前にする必要があります。ただし、出産日は予定日からずれることも多いため、取得時期を変更することもできます。

 

給付

育児休業給付の申請は、休業期間2ヶ月ごとに1回、ハローワークに対して行います。通常会社が申請を行います。当初6ヶ月は休業前賃金のおよそ67%、その後は50%です。

 

育児休業の延長

育児休業は最長で1年が原則ですが、パパ・ママ育休プラスという制度を利用すると、子供が1歳2ヶ月になるまで育休期間を伸ばすことができます。

また、保育園に入れない場合に限り特別に育休を延長する事ができます。この場合最長2年間の取得が可能です。

給与から控除してよい項目について   [ 2020.02.12 ]

毎月の給与を支給する際、その全額を支給せず、所得税・保険料や住民税、会社によっては旅行積立金や社宅家賃等を控除したうえで支給しているところが多いと思います。この控除項目については、勝手に控除して良いわけではありません。法律によって控除することが認められている「法定控除」と、労使協定を結ぶ事で控除できる「協定控除」があります。

 

賃金支払いの5原則

まず、前提として、賃金の支払いは労働基準法第24条で定められている以下5つの原則に従わなければなりません

 

1、通貨払いの原則(賃金は、通貨で支払わなければならない)

2、直接払いの原則(賃金は、直接労働者に支払わなければならない)

3、全額払いの原則(賃金は、その全額を支払わなければならない)

4、毎月1回以上払いの原則(賃金は、毎月1回以上支払わなければならない)

5、一定期日払いの原則(賃金は、一定の期日を定めて支払わなければならない)

 

上記3の「全額払いの原則」に従うならば、賃金からは何も控除してはいけなくなります。

ただし、この原則には例外が設けられており、以下に該当する場合は控除しても良いとされています。

 

法定控除

法律で定められている控除項目です。所得税・住民税・健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料等が該当します。

 

協定控除

労働者の過半数で組織する労働組合がない場合、労働者の過半数代表者と書面による協定(労使協定)を結んだ控除項目です。例えば、旅行積立や社宅家賃等が該当します。

 

 

法律で認められている法定控除以外を控除したい場合は、労使協定を結んでいなければ本来控除してはいけません。また、労使協定をだいぶ前に結んでいる場合、現状の控除項目と一致してない可能性もあります。自社の控除項目、協定については改めて確認した方が良いでしょう。

育児休業中に有給休暇を取得できるか   [ 2020.01.29 ]

育児休業中に有給休暇を取得できるか

育児休業中等に有給休暇の有効期限が到来するなどで従業員より、育児休業中の有給休暇が取得できるのか、疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。

 

結論から申し上げますと、原則的には、育児休業期間中に有給休暇を申請することは出来ません。

 

この点について、厚生労働省より以下の通達が出ております。

「年次有給休暇は、労働義務のある日についてのみ請求できるものであるから、育児休業申出後には、育児休業期間中の日について年次有給休暇を請求する余地はないこと。(以下略)」

 

有給休暇の性質上、労働日に休みをもらうものであり、育児休業等で、予め労働義務が消滅している場合には、有給休暇は申請することすらできないということになります。

 

但し、いかなる場合にも有給休暇が取得できないわけではありません。

育児休業を申請する前に、予め、有給休暇の取得が決定している場合には、有給休暇が優先されます。(育児休業給付金の給付決定額の調整対象にはなります。)

 

参考:厚生労働省通達

「また、育児休業申出前に育児休業期間中の日について時季指定や労使協力に基づく計画付与が行われた場合には、当該日には年次有給休暇を取得したものと解され、当該日に係る賃金支払日については、使用者に所要の賃金支払の義務が生じるものであること。」

 

育児休業中の就労との関係

育児休業中、10日(10日を超える場合には80時間以下)であれば、一時的・臨時的に就労したとしても、育児休業として認めらます。

このような状況下で、1日4時間で月20日勤務するシフトをした場合、シフト日を有給休暇として、申請出来るのでしょうか?

 

結論から言いますと、このような場合でも、有給休暇を取得することは出来ません。

 

そもそも、短時間でのシフトを組んで仕事をした場合には育児休業でいう、一時的・臨時的に就労する場合とはみなされず、育児休業からの復帰とみなされます。

 

一時的・臨時的就労とは、

大災害で出社できない従業員の臨時対応で就労する場合や、突発的な事態に対応する為、休業中の本人にのみ対応可能な場合等の就労と認めているからです。

 

在宅勤務や時短での勤務は、恒常的・定期的労働と認められる可能性が高く、育児休業の終了とみなされる場合がございますので、注意しましょう。

有給休暇の賃金の算出方法   [ 2019.10.30 ]

有給休暇の法改正がされ、従業員に有休消化を促すものの、実際に支払方法について不安に思う経営者も数多いのではないでしょうか?

今回は有給取得時の賃金の計算法についてみていきます。

 

労働基準法39条第7項によれば、有給時の賃金について以下の3つの方法を規定しています。

(1)平均賃金
(2)所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
(3)健保法第3条の標準報酬日額

 

算出方法の詳細

(1)平均賃金:算出方法
⇒有給休暇を取った日(給与の〆日がある場合はその日)以前3ヶ月間の賃金総額を総日数で割った金額。

ボーナスなど臨時の賃金は含まず、家族手当・通勤手当や残業代を含む
根拠条文:労働基準法12条

(2)所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
根拠条文:労働基準法 施行規則 第25条

 

要するに休んでいなかったと仮定して通常通りの給与を支払う方法

 

(3)健保法第3条の標準報酬日額

※こちらを規定するためには別途過半数労組または過半数代表者との書面協定が必要となります。

標準報酬日額は、毎月の健康保険料の計算の基礎となる標準報酬月額を「30」で割った金額となります。

 

以上のように労働基準法計算方法として3方法規定されておりますが、このうちから1つを選択し、就業規則に明示する必要があります。

人や雇用形態によって、計算方法を変更することは出来ませんので注意が必要です。

教育訓練給付金の拡充について   [ 2019.10.23 ]

教育訓練給付金の拡充について 教育訓練給付金とは、 労働者の主体的な能力開発の取組を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする給付制度です。 教育訓練給付金には2種類あります。「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練給付金」になります。 一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付はともに厚生労働大臣の指定する教育訓練終了した場合に授業料等の一部が給付金として支給される雇用保険の給付金の一種です。 対象となる教育訓練は一般教育訓練給付金の場合は通信教育や英会話等比較的手軽に受講できるものなど多岐に渡りますが、専門実践教育訓練給付金は看護師や美容師等の専門学校やMBAなどの大学院講座等、より専門性・実践的訓練が対象となります。 主な改正点 この教育訓練給付金ですが、開始当初は一般教育訓練給付金のみでしたが、 2014年から拡充され、専門実践教育訓練給付金が支給されるようになりました。 また、平成30年・31年と専門実践教育訓練給付金の支給額が拡充されました。 ・もともとの支給金額 一般教育訓練給付金:教育訓練経費の20%(ただし上限10万円・下限4000円) 専門実践教育訓練給付金:教育訓練経費の40%(ただし上限32万)+資格試験合格後20%(合格時48万) 合計60% (最大3年) 改正後の支給額 専門実践教育訓練給付金:教育訓練経費の50%(上限40万)+資格試験合格後20%(合格時56万) 合計70% (最大4年) また、改正に伴い、支給対象要件が一般・専門実践教育訓練ともに雇用保険加入期間が3年以上(初回のみ1年以上で給付可能)となりました。

求人票に固定残業代を明記する際の注意点   [ 2019.10.16 ]

「固定残業代手当」を導入している企業がハローワークへ求人票を提出する場合、以下について明示することが求められています。

・固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
・固定残業代を除外した基本給の金額
・固定残業時間を超える時間外労働
・休日労働及び深夜労働分についての割増賃金の追加支払う旨

固定残業代とは
名称によらず、一定時間分の時間外労働、休日労働及び深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金のことを言います。

求人票の手当欄には、具体的には以下のよう記載します。

【a】 基本給又は時間額欄
基本給には固定残業代など、各種手当は含めず記載

【b】 定額的に支払われる手当欄
固定残業代が、時間外労働の有無に関わらず固定的に支給されるものである
こと、超過分が法定どおり追加で支給されることを明記することを条件に、 固定残業代等を「b 定額的に支払われる手当」欄に記載
なお、他の「定額的に支払われる手当」に固定残業代が含まれる場合には、 固定残業代分の金額を分けて記載

【c】 その他の手当等付記事項欄
b欄に固定残業代手当と記載した場合には、「c その他の手当等付記事項」 欄に、「時間外手当は時間外労働の有無に関わらず、固定残業代として支給 し、○○時間を超える時間外労働分は法定どおり追加で支給」と記載


残業代対策として、固定残業制度を導入する企業が多くなってきています。ただ、適切に運用できていないと制度そのものが違法と判断されますし、従業員が内容を知らず入社してきた場合には労使のトラブルに繋がる恐れがあります。

ハローワークへの求人票提出に限らず、固定残業制を導入する場合は、金額や時間数等を明確にしたうえで募集をかけるようにしましょう。

未払い残業代請求訴訟における「付加金」について   [ 2019.09.26 ]

働き方改革により残業についてますます厳しい目が向けられています。未払いの残業代請求の訴訟が起きるときには、未払い残業代以外にも「付加金」と言う制裁金を請求されることがあります。

 

付加金とは?

付加金について、労基法では以下のように定めています。

 

労働基準法 第114条

裁判所は、第20条、第26条若しくは第37条の規定に違反した使用者又は第39条第7項の規定による賃金を支払わなかった使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。

 

付加金の対象となる手当は次の通りです。

解雇予告手当(労基法20条)

使用者の責に帰すべき休業の場合の休業手当(労基法26条)

時間外労働に対する割増賃金(残業代。労基法37条)

法定休日労働に対する割増賃金(休日手当。労基法37条)

深夜労働に対する割増賃金(深夜手当。労基法37条)

有給休暇中の賃金(労基法39条7項)

 

付加金の判断は裁判所が行う

付加金の支払いは必ず命じられるものではなく、あくまで、裁判所が支払いを命じることが「できる」と規定されています。裁判所が内容の悪質性や労働者の損害の程度などを検討して総合的に判断されるものと思われます(判断基準は明示されていません)。

 

いずれにせよ「未払い残業代と合わせて倍額支払わなければならない可能性」があることが会社側の抑制することになるので、裁判が長期化せず和解によって紛争解決をすることを促すために付加金があるとも考えられます。

高卒求人の流れについて   [ 2019.07.31 ]

高卒求人を行うにあたりハローワークへ申込みをする前に事業所登録をする事が必要となります。この登録は事業所名、所在地、事業内容、特長といった基本的な情報の提示をして求人申込書のベースとなります。

事業所登録は初回のみとなります。

さて事業所登録が完了しましたら次は求人申込書の作成となります。これは実際に学校に配布し生徒が目にするものとなります。労働時間や賃金の事は当然ながら仕事の内容や研修、訓練の事、求人条件にかかる特記事項などの情報の記載が必要となります。求人申込書の最大のポイントは高校生が読んでしっかり理解できる事です。簡潔で易しい言い回しがベストとされています。

期間内に定員を満たしていない状況での終了は認められていませんので期間の設定をしっかりする事と求人人数を最小限に設定して(定員の縮小はNGだが追加は可能)申し込むのが良いかと思います。

求人申込書が受理されましたら(7月初旬~)原本は会社の控えとしましてコピーをもって対象の学校へ訪問をし、申込をします。会社案内等のパンフを求人用に学校へ持参する場合もその書面にハローワークの受理印が必要となるので注意してください。高卒求人の案内に記載されている学校の一覧には昨年の就職人数等の情報もありますので参考にするといいでしょう。より会社を理解してもらう為に可能な限り会社見学を実施する事が良いと思います。(ハローワークへの報告有)

9月中頃から面接、採用試験が可能となり随時採用という流れになっていきます。

定年退職後の再雇用者に対する有給休暇の考え方について   [ 2019.07.10 ]

定年退職後の労働者を引き続き継続して雇用する場合、有給休暇の付与日数について、今までの勤続年数は一度リセットし、新規採用者と同様に扱っていいのか、また未消化の有給休暇の日数もリセットしていいのか?、という質問を度々受けます。

今回は定年退職者の有給の取扱について考えていきたいと思います。

ポイントは「継続勤務の実態」
労働基準法第39条によれば、有給休暇の付与について、「雇入れの日から起算して6ヶ月継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者」に倒して有給休暇を付与することを義務付けております。
定年退職者について考える場合、上記条文の「継続勤務」をどう評価するべきかが、問題となります。
一度退職をした職員については、退職をもって、一度勤続がリセットするようにも思えます。
この点、昭和63年3月14日基発150号行政通達によれば、
継続勤務か否かについては、「勤務の実態に即し実質的に判断すべきもの」であり、形式上労働関係が終了し、別の契約が成立したとしても、実質的には労働関係が継続していると認められる場合には、「継続勤務」と判断されます。
定年退職による退職者を引き続き委託等として再採用している場合(退職手当規程に基づき、所定の退職手当を支給した場合を含む)は実質的には勤務は継続したもののとみなされると示しています。

例外は?
基本的に、退職者の再雇用者の勤続年数は通算すべきですが、退職と再雇用日との間に開きがある場合、このケースに限っては、労働関係が切れていると判断することが出来、勤続年数がリセットされうる場合もあります。

未消化の有給休暇の取り扱いについて
年次有給休暇の勤続年数が通算すると判断される場合については、基本的には原則通り、未消化の有給休暇は2年間の時効(労働基準法115条)が切れるまでは労働者は有給休暇取得する権利がありますので、再雇用後にも未消化分の有給休暇が繰り越されます。

監視または断続的労働従事者の取扱について②   [ 2019.06.26 ]

監視または断続的労働従事者とは?なぜ適用除外されるのか?

通常労働基準法は労働者を保護するために、労働条件の最低限度を設けております。ただし、労働基準法41条によれば、法41条該当者に対しては、労働時間・休憩・休日の規定を適用ないと規定しております。

この適用除外対象労働者として、「監視又は断続的労働に従事する者で,使用者が行政官庁の許可を受けたもの」が定められています。
「監視又は断続的労働に従事する者」の具体例ですが、
「監視」業務とは、しては、門番、守衛など
「断続的業務」とは寮父母や宿直・日直・役員専属運転手などが挙げられます。

上記の職種がなぜ適用除外の対象となるかといいますと、上記の労働者の労働は、
通常の労働と比較して、常態として身体の疲労又は精神的緊張が少ない、もしくは小さいためと解釈されます。
したがって、身体疲労や精神的緊張度の高い業務が含まれる場合は適用除外の対象外となります。
具体的には、「監視」業務の場合に交通関係の監視業務や爆発物管理等危険な場所での監視業務などは、身体の危険性や精神的緊張度は高いと認められ、法41条該当者には当たらない、とされています。

また、「断続的労働」業務の場合、ある1日は断続的労働であっても、ほかの日は通常労働である場合には、適用除外である断続的労働者には該当されません。

労働基準監督署に届け出る方法について

監視または断続的労働従事者に該当する社員がいた場合、労働基準監督署長の許可が必要であることは前述したとおりですが、具体的にはどのような手続きが必要でしょうか?
労働基準監督署に提出する必要がある書類として、
・監視・断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請書
・該当労働者の過去の稼働実績が確認できる書類

が挙げられます。

この稼働実績の書類ですが、単に業務内容がわかるものでは足りず、具体的なルーティン、日々のルーティンがわかる書類が必要です。
稼働実績の書類が不十分である場合、補足資料として労働者の雇用契約書や同意書等が求められる場合もございますので、あらかじめ用意しておくと安心でしょう。

なお、実際の審査につきましては、書類審査の他、労働基準監督署より実態調査(労働者に対して簡単な聞き取り調査)が入ることが一般的になりますので、予め、対象労働者との日程調整を行う必要があります。

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