社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2013年1月

退職後の傷病手当金・出産手当金   [ 2013.01.29 ]

健康保険制度から支給される「傷病手当金、出産手当金」。 もし受給の途中で退職した場合、それ以降の給付はどのようになるのでしょうか。


【資格喪失後の傷病手当金】
被保険者資格があるとき(在職時)にもらっていた傷病手当金は、当該傷病で働けない状態である限り、退職後も受けられます。

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[注意点]
1.資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人に限る
2.在職時に実際に傷病手当金を受給していること

傷病手当金にかかる「待期期間」を満了していない場合や、待期期間は満了しているが傷病手当金を受給していない場合などは、この「受給している」にあたりません。

例:私傷病により9月1日から休み始め、9月3日に退職した場合
待期期間の3日目で退職しており、実際の給付を受けないために
資格喪失後の傷病手当金はもらえません。

3.資格喪失後の傷病手当金の支給は、「当初在職時にもらい始めた日から数えて」1年半まで
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傷病手当金を退職後も受給するつもりならば、少なくとも在職中に実際に傷病手当金を受給する必要があることを注意してください。


【資格喪失後の出産手当金】
資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人は、資格を喪失した際に現に受けていた出産手当金を引き続き受けることができます。こちらも「現に受給していること」が条件となります。

【その他の資格喪失後給付】
資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人が資格喪失の日後、6か月以内に出産をしたときは、被保険者として受けられる出産育児一時金が支給されます。

以上、退職後の傷病手当金・出産手当金についてでした。


就業規則について③   [ 2013.01.25 ]

就業規則は、会社が一方的に作成するだけでなく、従業員の意見を聴かなければなりません。

 

【労働者の意見をもらう方法】
会社は、就業規則の作成と変更について、以下の意見を聴く必要があります。

  • 事業場の労働者の過半数で組織する労働組合
  • 労働組合がない場合には労働者の過半数代表者

そのため、過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数代表者の意見書を就業規則に添付して、遅滞なく所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。

意見書には法定様式はありませんが、以下の情報を入れましょう。

  • 「意見書」というタイトル
  • 宛先(○○株式会社 代表取締役○○など)
  • 日付
  • 意見の内容
  • 労働者代表者の署名または記名押印

なお、過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数代表者の意見書は、添付するだけで良いとされています。たとえ内容が反対意見であっても構いません。

 

【就業規則の周知とは】
前述のとおり、就業規則は、労働者代表の意見書を添付して管轄労働基準監督署に届出します。さらに、事業場の労働者に周知した後に効力が出ます。

周知の方法については、以下を参考にしてください。

  • 事務所の棚に備え付ける
  • 就業規則データを会社PCなどに保存し、閲覧可能な状態にしておく
  • 全体の説明会を開催する など

内容を印刷して全社員に配布する必要はありません。

 

【その他、育児・介護休業規程など】
「育児介護休業法」による育児休業及び介護休業に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項です。従って、育児休業及び介護休業の対象となる労働者の範囲や、取得に必要な手続、休業期間等については、就業規則に記載する必要があります。

また、就業規則に記載すべき休暇には「育児休暇」や「介護休暇」も含まれるため、絶対的必要記載事項になります。実際には、「育児・介護休業規程」などの別規程を定めて、ここに育児休業などについて記載した上で、就業規則に添付するなどします。

 

【古い就業規則はいつ変更するか】
就業規則を十数年前に作成した後変更などをしていない場合、現行法規通りになっていない可能性があります。10年前と比べると労働基準法も大きく改正されていますし、企業の労働条件も変更されていると思われます。変更内容の労働者への説明は当然必要ですが、それに伴い就業規則の変更、所轄労働基準監督署長への届出も忘れずに行う必要があります。

労働条件が変更された場合、就業規則の該当部分を変更する必要があります。しかし、中小企業の場合はおろそかにされる場合が多々あります。就業規則の変更は労働基準監督署長に届け出る必要もありますが、これを確実に行っている中小企業は少ないと思います。必要な手続は確実に行い、就業規則と実態を合わせましょう。

 

【就業規則は会社の自由に変更できるか】
就業規則は会社が自由に変更できますが、変更が労働者に不利益になる場合、合理的な理由がないとして変更が無効とされた裁判例もありますので注意が必要です。

 

以上、就業規則について③でした。

あまり長すぎる試用期間は無効とされることがあります。   [ 2013.01.24 ]

本採用の前に試用期間を設けるとき、試用期間はどの程度の長さまで認められるのでしょうか。一般的には、1ヶ月~6ヶ月ほどの期間が設定されます。

 

【試用期間】
会社が本採用を決定する前に、社員の職務遂行能力や適性などを判断する期間を言います。

【試用期間の長さに法の規制はない】
試用期間の長さについては、法の規制はありませんが、一般的には1ヶ月~6ヶ月ほどの期間が設定されます。

1年間の試用期間を設ける企業もありますが、社員の立場が不安定であることから、あまり長すぎる試用期間は無効とされることがあります。

また、試用期間中であっても、雇い入れの日から14日を経過すると解雇予告が必要です。さらに、「おおむね6ヶ月を経過すると、最低賃金法の適用除外者でなくなるとする」という判例もありますので、注意が必要です。

 

【試用期間が不当に判断される場合】
<例1>
すでにパートタイム社員として務め、正社員と同じ業務について2年間勤めている人を1年の試用期間ののち、正社員として採用する場合。

すでに一般社員と同じ業務について相当の期間が経過しているとういう事実があるので、適性を判断するには、ごく短い期間で十分と考えられます。したがって、設定した試用期間は不当に長いものと判断される可能性が高くなります。

<例2>
試用期間の本来の目的を逸脱し、賃金を低く抑えることを目的とした試用期間。

実際、あるメーカーが1年を超える試用期間を設けて争われた判例では、まず、試用期間中の労働者は、賃金や雇用の面で不安定な地位に置かれることを認め、1年を超える試用期間は公序良俗に反すると判断しています。

つまり、1年を超える試用期間は必要以上に長すぎると認めたわけです。

もちろん、業種や職種、本人の経歴など、様々な要因によって必要とされる試用期間の長さは異なりますが、使用者は、試用の目的に沿った形で試用期間を設ける必要があります。

 

以上、試用期間についてでした。

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