社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2014年3月

高校生、大学生をアルバイトとして雇う時の注意点   [ 2014.03.31 ]

20歳未満では、未成年ということで両親や行政が関係する部分もあり、年齢区分ごとに(高校生と大学生の年齢による区分)特別の規制がありあす。

高校生ですと18歳未満で年少者となり、大学生は、20歳未満者で未成年者となります。

 

高校生のアルバイトについての制限:

高校生のアルバイトでは、

1、年少者の「年齢証明」の備付義務があります。

2、残業(時間外・休日労働)、深夜業(午後10時~翌朝5時)をさせることが原則としてできません。

3、一定の危険有害業務(重量物や安全・衛生上危険な業務)をさせることができません。

 

労働社会保険について:

また、学生の雇用保険と社会保険についてですが、「学生で、親の扶養に入っているのだからいずれも入らなくてよい」という訳ではありません。

学生アルバイトでも下記の条件を満たしていたら保険加入となります。

 

・雇用保険

夜間学生で、週20時間以上、31日以上の雇用見込みがある場合は加入します。

※ただし、昼間学生は、原則対象外となります。

 

・社会保険

通常勤務する正社員の労働時間、労働日数の4分の3を超えていること。

扶養家族の認定基準は年収130万円未満なので、その金額を超えていること。

以上の場合は社会保険に加入しなければなりません。

 

・労災保険

また、学生アルバイトでも労災保険の対象になります。労災保険は保険料の個人負担はありませんが、労働保険年度更新時の労災賃金総額に学生アルバイトの賃金も加える必要があります。

社員が勤務中に倒れた場合の労災適用について   [ 2014.03.24 ]

仕事中に脳疾患・心臓疾患などで倒れてしまった場合、会社としては、まず労働者の安全確保や救急の手配をしなければなりませんが、その病気と仕事に因果関係が認められている場合は、当該病気について労災が適用となりえます。

 

原則として、突然倒れてしまうような脳梗塞や心筋梗塞などの、長年の生活習慣や食生活が大きく影響する病気については、その生活習慣や既往症、ならびに直前の勤務状態等を総合的に判断することになります。

会社として注意しなければならないのは、やはり「病気と「過労」との間に相当の因果関係が認められる場合」です。長時間の残業や休日出勤が続いた結果倒れてしまった場合、労災認定をされ、さらに会社の損害賠償責任が生じる可能性もあります。

 

脳疾患・心臓疾患に対する労災認定基準は次の通りです。

 

  1. 発症直前から前日までの間において、発症状態を時間的・場所的に明確にし得る異常な出来事に遭遇してこと。
  2. 発症に近接した時期において、特に過重な業務に就労したこと。
  3. 発症前の長時間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務に就労したこと。

 

なかでも最も明確な判断指標が労働時間(残業時間)です。

現状、月に45時間以上の残業が発生すると、脳疾患や心臓疾患発症の「関連性が強まる」とされています。

残業時間について、2~6か月平均で80時間以上か、1か月に100時間以上となると「関連性が強い」とみなされます。

 

会社には「労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」という安全配慮義務があり、損害賠償責任が発生しうるのはこの安全配慮義務違反が認められる場合です。

安全配慮義務違反を問われないよう、会社としては適切に労働時間を把握管理する必要があることを心がけましょう。

内定取り消しについて   [ 2014.03.17 ]

採用内定を取り消すことはできるのでしょうか。取消は不可能ではありませんが、多くの採用内定は労働契約が成立したことを意味しますので、解雇と同様に慎重に行う必要があります

「採用内定」は、「解約権留保付始期付雇用契約」が成立したものと言われます。言い換えると、「解約権も残っている、スタート時期を定めた雇用契約」ということになります。

 

採用内定の仕方は様々で、どんな内定でも解約権留保付始期付雇用契約が成立したことは一概に言えませんが、内定通知に「最終的な採否の決定は追って連絡します」といった(採用が確定していないような)記載がない限り、雇用契約は成立したものと考えられます。

こうして解約権留保付始期付雇用契約が成立すると、もう使用者は正当な理由なく内定を取り消すことはできません。なぜなら、雇用契約が成立しているということは、労働基準法上の解雇に関する定めの適用を受けることになるからです。なお、解雇理由には、合理性および社会通念上の相当性が必要です。

 

【採用内定取り消しができる具体例】
判例では、正当な理由とは「採用内定当時知ることが出来ず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らし客観的に合理的と認められ、社会通念上相当と是認することができる」ものとされています。

具体的な例をあげると、次のような場合が考えられます。

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  1. 新規学卒者が卒業できなかった場合
  2. 提出書類などに虚偽の記載があったり、虚偽の事実を述べた場合(虚偽の内容が軽微であるときは、内定を取り消しが認められない場合もあります)
  3. 採用後の業務に支障が出るほどの健康異常が発生した場合
  4. その他不適格事由があった場合(犯罪を犯した等の場合)

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これらは客観的合理性、社会通念上相当性という原則に照らしてみると、内定取り消しが認められる可能性が高いでしょう。しかしこれらの場合でも、内定時に「これらのことがあったら内定取消が起こること」を相手方に通知しておく等のリスク対策をすることをお勧めします。

 

【業績悪化による内定取り消しについて】
たとえば、予定通りの内定者を雇い入れると人件費が経営を圧迫していきづまることが明らかであり、すでに雇用している社員の解雇を回避するためには、内定取り消しはできるのでしょうか。

この場合は、上記の経営ひっ迫の事実のほか、内定取り消しを回避するために最大限の努力をしていたこと、内定のやむなきに至った時点ですみやかに取り消しの補償をするなど、とり得る措置を尽くす必要があります。内定取消回避のための努力の程度を見られるということです。

 

以上、内定取り消しについてでした。

職種の変更について   [ 2014.03.12 ]

従業員の職種を変更するとき、契約とは異なる職種に配置転換できるのでしょうか。

当初の契約時の特約により職種を限定している場合、配置転換ができないこともあります。しかし、通常は、常識的な理由があり、雇い入れから一定期間を経ていれば配置転換は出来ます。ただし、できれば事前に労働者と話し合い、同意を得たほうが望ましいと言えます。

 

【労働条件の明示義務】
労働基準法第15条では、労働契約を結ぶ際には、賃金や労働時間と言った重要な労働条件を労働者に明示しなければならない「労働条件の明示義務」が定められています。

そして、この重要な労働条件には「労働者が従事すべき業務=職務」も含まれており、原則として、会社はここで明示した業務以外に就くように労働者に命じることはできません。

ただし、この労働条件明示は、あくまでも「雇入れ当時の労働条件」を示したものと解されています。時間経過や労働者の適性、会社・社会情勢などの変化により、常識的な範囲での職務の変更・配置転換はむしろ自然なことであり、「この職種限定」「この地域限定」といった職務や地域を限定した特約がない限りは、会社は配転や転勤を命じることが出来ます。

この配置転換命令によるトラブルを未然に防ぐためには、労働条件通知書・雇用契約書などで配置転換の可能性について説明しておくとよいでしょう。

 

【賃金が下がるときは注意が必要】
職種転換が可能とはいえ、転換により賃金額が変わる場合には注意が必要です。なお、減額になる場合は特に気をつけましょう。

その職種に就いていたから支給していた手当(例えば看護師という職種に対して支給される「看護師手当」など)について、職種から外れたことにより手当がなくなり、大幅に減額した場合、労働者の反発が予想されます。

労働者と「労働条件の不利益変更」について争うことになった場合、「なぜその職種から配置転換したのか」「その労働者を選んだことに合理性があるか」などを会社は主張しなければなりません。月次賃金の総支給額の減少については、以下のように対応して慎重に行いましょう。

  1. 配置転換に関する可能性を事前に話し、合意を得る
  2. 能力不足・適性による配置転換の場合、改善の機会を与える
  3. 変更後の職種における教育機会を与える

以上、職種の変更についてでした。

出向に関する労働者の同意について   [ 2014.03.04 ]

社員を出向させるとき、社員の同意は必要なのでしょうか。

原則として、社員の同意がなければ出向させることはできません。ただし、就業規則・出向規定・労働協約などで出向命令の可能性や内容を定めており、包括的に同意があるとみられる場合は、社員の同意なく出向を命じることが出来ます。

 

【原則的には労働者の同意が必要】
社員は、労働契約によって会社の指揮命令下で働く義務を負っているに過ぎません。そのため、他の会社(出向先の会社)の指揮命令下で働くことを一方的に命じることは原則として許されず、社員の同意が必要になります。

ただし、必ずしも個別的な労働者の同意を得る必要はなく、包括的な同意があれば、出向命令は認められます。

 

【包括的同意とは】
会社の就業規則・出向規定・その他労働協約などで、「会社は、業務上の都合により社員に出向を命じることがある」旨の規定があり、その規則などが適法に届出などされ、または契約として成立していれば、出向命令の可能性について労働者が全体として同意していると考えることが出来ます。このことを包括的同意といいます。

ただし、出向による「個別の労働条件変更」は原則としては「画一的・集団的な明示」ではあまりに乱暴とみられることもあります。つまり、ただ「出向の可能性があります」だけでは十分とは言えず、規定には「出向先、出向期間、出向先での労働条件、出向元への復帰に関する事項など」の具体的事項について定めることが望ましいでしょう。

いずれにせよ、この包括的同意があることで、労働者の同意を得ずとも出向命令をすることができます。

 

【できれば同意を得ることが望ましい】
ただし、出向は以下のような変更を伴うため、労働者によってはストレスを感じることもあるでしょう。

  • 通勤にかかる時間
  • 賃金など労働条件
  • 職務内容
  • 企業文化

そのため、できれば出向の必要性や条件などをきちんと説明して理解を求めるのが望ましいでしょう。

以上、出向に関する労働者の同意についてでした。

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