社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2014年5月

社員の副業を禁止してよいか   [ 2014.05.28 ]

副業については、法律の制限はありません。つまり会社が許可すれば社員が副業を行うことはできます。しかし、社員は労働、つまり働くことの対価として給与を受け取っていますので、対価にふさわしい労働力を提供する義務があります。

その意味で、副業の疲れなどにより本来期待する労働力が提供されないような場合、会社はその副業を禁止することができます。

 

副業を禁止する場合、就業規則の服務規定にその旨の文言を明記しましょう。服務規定に入れておくべき内容は例えば以下の通りです。

・健康に留意して、良い心身状態で勤務するように努めること

・会社の許可なく他社の役員、従業員又は個人事業主となり、営利を目的とする業務を行わないこと

・会社の許可なくアルバイトなどをしないこと。ここでいうアルバイトとは、営業上の技術を使用して個人的に報酬を得る行為を含む

 

就業規則上で、許可のない副業を禁ずるよう規定し、許可を求められた場合はその副業が

 

①    疲労などにより本来業務に支障を与える程度

②    本人の家庭事情

③    副業の内容が会社になんらかの不利益を与える可能性(情報漏えい、コンプライアンス的観点など)

 

以下の視点で見て許可に問題ないかを審査検討するとよいでしょう。

 

 

 

ペナルティーについて:

副業が発覚した場合、懲戒処分を行うかについては、次のような項目を総合的に判断して行う必要があります。

 

①    副業を行うことで、本来業務にどのくらいの影響が出ているか

②    競業他社での副業かどうか

③    副業により、自社の秘密漏洩の危険性があるか

 

ただし、アルバイト等副業行為とあまりに釣り合わないペナルティーをしないように注意する必要があります。懲戒解雇が有効となるような副業行為は、背任的に自社のノウハウを漏えいさせている場合や、競業行為を意図的に行うような悪質なものに限られるでしょう。

 

なお、副業を許可制や禁止にしている場合でも、パートや短時間勤務者について、別段の配慮が必要となります。これらの社員は、その雇用形態上、他社との「掛け持ち」を想定しているケースもあります。正社員の副業とは違った基準で、ある程度副業を認めてあげる配慮が必要でしょう。

出張先への往復移動時間の給与の支払いは必要か   [ 2014.05.21 ]

出張先への往復移動時間について、賃金の支払いが必要な労働時間であるかは、以下の2点で判断されます。

 

①使用者の指揮命令下にあるか

②この時間の自由な利用が保障されているか

 

出張先への往復の移動時間は労働時間とはみなされないことが多く、原則として給与の支払いは必要ありません。たとえ深夜や早朝であったとしても移動時間は労働時間とみなされないため、割増賃金も発生しません。また、出張先の仕事が早朝の為、休日である前日に移動した場合も同様です。

ただし、重要な書類や物品を運ぶような、移動自体が目的の場合は労働時間とみなされる可能性があり、賃金の支払いが求められることがあります。

 

法律上は労働時間とみなさないとしても、特別のケアが必要な場合もあります。

移動時間中の自由利用が保障されていたとしても、移動時間中労働者は行動の制約を受けます。給与の支払いが法律上不要であったとしても、移動の目的は仕事です。出張のための往復移動でプライベートな時間に制約を受けない人とのバランスを取る意味でも、長時間移動する場合や休日に移動する場合には、距離や時間に応じて「手当」を支給するなどの対策を検討するとよいでしょう。

手当については会社に支給義務はありませんが、支給の有無、支給する場合には金額や支給基準について明示しておくと、誤解によるトラブルを防ぐことが出来ます。

手当額も法律上の定めはありませんが、出張により拘束するであろう時間などを加味しながら設定するとよいでしょう。

仕事中の交通事故に対する対応方法   [ 2014.05.14 ]

自動車を使用して仕事をしていた過程での事故は、労災保険(業務災害)が適用になりますが、同時に車両にかかっている「自動車保険」も使えるため、本人がどちらの保険から給付を受けるかを「選択」することになります。補償対象が同一であるため、どちらも重複してもらうことはできません。

 

では、どんなときにどちらの保険を選択するのがよいでしょうか。

 

1、まずは自動車保険(自賠責保険)から:

交通事故については「自賠責保険優先」という考え方があります。これは行政通達であり、法的な拘束力はないものですが、一般的には当該行政通達に倣って自賠責保険を使うことを第一に考えるケースが多いと言えます。

自賠責保険はすべての車両に加入が義務付けられており、補償内容は以下の通りです。

 

治療費、文書料、休業損害、慰謝料について、合計120万円まで補償

後遺障害・死亡について 75万円~4000万円まで補償

 

被災者が無過失かつ治療費や休業補償の合計が120万円以内に収まる比較的軽微な事故では、自動車保険(自賠責保険)の適用を選択することが多いでしょう。

 

 

2、労災保険と自動車保険の比較

 

労災保険を選択する場合、以下のようなメリットがあります。

①被災者に過失があっても負担が発生しない

交通事故では過失割合が問題となりますが、労災保険では過失割合に関係なく治療費が全額保障され、休業補償についても過失相殺されません。過失割合について当事者間でトラブルがある場合、労災申請をしたほうが迅速に給付がなされます。

 

②治療費の限度金額がない

自賠責保険と異なり、労災保険には治療費の限度額がない点で有利です。

 

②公的保険のため治療費自体が安くなる

自動車保険を利用すると病院では自由診察の扱いとなります。公的保険である労災保険の診療報酬と比べて、自由診療部分は文字通り自由に治療費が設定できるため高くなります。

つまり、同じ治療を受けているにも関わらず治療費自体が2倍にも跳ね上がることもあります。

 

 

過失割合でトラブルになっている場合や、相手方が自賠責保険のみにしか加入していない場合などは、労災保険のメリットを選択したほうがよいでしょう。

タイムカードの使用の有無で生じる問題   [ 2014.05.07 ]

会社には、社員の労働時間を適切に把握する義務があります。たとえば、「出退勤や休日休憩含め、労働時間は社員の自主性に任せている」というルールの会社があったとしても、「実際の労働時間がどうであったか」を把握しなければなりません。

タイムカードの設置は、法律上義務ではありませんが、ない場合にはタイムカード以外の方法で時間管理をする必要があります。出勤日に印を押す出勤簿などのアナログな方法で管理しても構いませんが、出勤時刻・退勤時刻や休憩時刻について正しく管理できていないならば、法律上不十分な時間管理とみなされてしまうことに注意が必要です。

 

労働時間について争ったとき

会社と従業員との間で、長時間労働等の争いになった場合、従業員の実際の労働時間は以下の記録からも認定されます。

①パソコンのONとOFFのログデータ

②メールの送信記録

③ドライブメーター、タコメーターの記録

④労働者が日々つけていたメモ等の記録

従って、タイムカードを意図的に不設置にしたとしても、他の記録によって労働時間が証明される可能性があるので、未払い賃金の解決にはなりません。

 

作業効率や人事評価にと労働時間の関係

客観的な記録がないと会社も社員も労働時間が把握できません。そのため、同じ仕事・同じ成果をどれだけ早く出せるかという部分の、適切な評価が出来なくなってしまいます。

また、労働時間を適切に管理すれば「どの作業にどれだけの時間がかかっているか」「作業効率を向上させるためにどんな手を打てばよいか」という業務改善の面でも有効なデータとなるでしょう。

「労働時間はあいまいなほうが未払い残業代対策の面ではよい」という消極的な考え方ではなく、労働時間を管理し、集めたデータを有効に活用することで、時間あたりの生産性を高めることに目を向けていくという積極的な姿勢も一考の価値があるのではないでしょうか。

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