社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2014年6月

社員研修時間は、労働時間と言えるか   [ 2014.06.25 ]

社員研修時間については「実際の業務をしていないから労働時間でない」と当然に言えるものではありません。

 

ポイントは「参加が強制かどうか」

社員研修時間が労働時間かそうでないかを判断する上では、その研修が「参加強制であるか否か」が大きなポイントになります。

社員研修が、皆が必ず参加しなければならない強制参加の研修であれば、それは原則として労働時間とみなされるでしょう。一方で参加希望者だけを募る自由参加の研修であれば、労働時間とならないでしょう。

 

ただし、「自由参加」としておきながら、皆が参加しなければならない雰囲気を会社側が作っていたり、参加しないことで給与査定が悪くなったりする等、実質的に参加を強制されている状況であれば、その研修時間は労働時間としてみなされます。

 

研修時間中の給与支払いについて

強制参加の場合、研修時間=労働時間ですので、当然に給与を支払う必要があります。一方で参加を強制されない研修については、原則として給与を支払う必要はありません。

 

3、研修時間の考え方

社員研修が強制参加の場合、その労働時間は、「会社に拘束されている時間」が基準となります。例えば、皆で集合してから研修場所へ向かう場合は、集合時刻から労働時間となる可能性がありますが、一方参加者が各々で現地へ集合する場合には、研修開始時刻が始業時間となります。また当然ながら、通常の労働時間と同じく、1日8時間を超えた場合は残業代がつきます。

賃金の定義について   [ 2014.06.18 ]

1、      賃金の定義について

 

賃金とは、正確にどういった定義がなされているかご存知でしょうか?通勤手当って賃金になるの?お客様からもらったチップはどうなの?と言った疑問をお持ちになったことはございませんか?

 

労働基準法11条では「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が支払うすべてのものをいう」とされています。つまり、「労働の対価」として使用者が労働者に支払うもの全てを賃金と呼びます。

 

また、賃金の支払い方に関しても労働基準法第24条1項および2項で取り決めがされています。これを賃金支払いの5原則とも呼び、具体的には下記のようになります。

 

~賃金支払いの5原則~

【1】    通貨払いの原則:賃金は通貨で支払うこと

【2】    直接払いの原則:賃金は直接本人に支払うこと

【3】    全額支払いの原則:賃金はその全額を支払うこと

【4】    毎月1回以上払いの原則:少なくとも毎月1回は賃金を支払うこと

【5】    一定期日払いの原則:賃金は「毎月25日」というように、その支払期日を特定すること

 

~例外~

ここでお気づきになったかたもいるでしょうが、「【1】通貨払いの原則」は、守られていませんよね?おそらく、大多数の方が銀行振り込みになっていると思います。また、旅行積立金など給与から天引きされているとしたら、「【3】全額支払いの原則」に反してしまいます。

ところが、そのことが労働基準法違反になってしまうかというとそういうわけではございません。

本人の同意を得ることを条件に賃金の銀行振り込みが認められていますし、労使協定を締結した場合に、旅行積立金などの給天引きが可能となる為です。そのほか、法令に定めのある所得税、住民税、社会保険料などの天引きも含め、これらを「賃金支払いの5原則の例外」と呼びます。

 

2、      使用者には給与明細の発行義務

給与を支払うという行為は、法律上「賃金債務を弁済する」ということになります。弁済である限り、「そのお金が何に支払ったものか」を明示する必要があるため、給与明細を発行する必要があるわけです。また、働いている社員からすれば、合計額を見ただけではどれが基本給で、どれが手当で、どれが残業代なのかがわかりません。就業規則や賃金規則のとおりに支払われているか社員がチェックするために、給与明細が必要になると理解しておいてください。

また、賃金規定に残業代として手当を支払う定めがあるにも関わらず、給与明細に手当を支払った記載が明示されてない場合、従業員側から手当が未払いなのではないかと主張されてしまう可能性が出てきます。残業時間に対して、いくら支払っているかを証明として残すためにも、給与明細を発行することは必ず行ってください。

就業規則の作成と届け出   [ 2014.06.11 ]

就業規則の作成と届け出

 

◆事業場単位で10人以上の場合、作成は必須

 

パートタイマー・アルバイトを含め常時10人以上が働いている事業場では、就業規則は必ず作成しなければなりません。その際に、①必ず記載しなければならない事項(絶対的必要記載事項)と、②会社で定めてある場合には必ず記載しなければならない事項(相対的必要記載事項)があります。具体的に、どのようなことを記載しなければならないかは下記のようになります。

 

①   

ア、始業・終業の時刻

イ、休憩時間・休日・休暇

ウ、交代勤務がある場合、就業時転換に関する事項

エ、給与に関する事項

オ、退職に関する事項(解雇の事由を含む)

 

②    (記載例)

ア、退職手当に関する事項

イ、安全・衛生に関する事項

ウ、表彰・制裁に関する事項

エ、臨時の給与・最低賃金に関する事項

オ、事業場の従業員すべてに適用される決まりごと

 

◆インターネット等で出回っているひな形の使用は危険

就業規則は業種や企業規模によって、実態に即したものを作る必要があります。また、インターネット等で出回っているひな形や、他社のものを流用すると、労働者の権利ばかりを過剰に保護するバランスを欠いたものになる恐れもあります。

社労士などの専門家に依頼し、実態に即したふさわしい規定づくりをしましょう。

 

◆作成後にすべきこと

1、従業員へ周知

就業規則を作成、変更を行ったらまずは従業員へ内容を周知します。方法としては、閲覧でもよいですし、従業員を集めて説明会を開くのも良いかと思います。

 

2、従業員代表の意見を聴く

就業規則を従業員へ周知したら、従業員の過半数が選んだ従業員代表の意見を聴き、意見書にその「意見」を記載し、署名捺印をもらいます。この時、万が一従業員に反対されたとしても、あくまでも「意見を聴く」に留まるので、反対だという意見をもらえればそれで問題ありません。ここでは、従業員代表の「納得」までは求められていないのです。

 

3、労働基準監督署に届け出

 

届けるものは、以下の3点です。(原本とコピーを持参してコピーに受領印をもらい、会社に備えておきます)

 

・就業規則(変更)届

・意見書

・就業規則

 

以上で、就業規則の作成から届け出までの一連の流れが終了となります。会社にしっかりとしたルールを作成することにより、従業員が気持ちよく働けることとなるでしょう。

管理者の割増賃金について   [ 2014.06.04 ]

【Q】
管理職者には割増賃金は不要なのか。

 

【A】
実態が一般社員と変わらなければ、割増賃金を支払う必要があります。

 

(解説)

労働基準法第41条で次に該当するものは、労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないこととされています。

①    農業・水産業に従事する者

②    監督または管理の地位にある者

③    機密の事務を取り扱う者

④    監視または断続的労働に従事する者(労働基準監督署長の許可が必要)

 

つまり、②に該当する管理職者に「割増賃金を支払わない」ということを就業規則で明記しておけば、時間外労働や休日労働を行わせても、会社は割増賃金を支払う必要はありません。

 

【監督者・管理者】

そこで、41条に該当する「監督または管理の地位にある者」と認められるかが問題となります。「監督または管理の地位にある者」とは次の要件を満たすものをさします。

 

①    労務管理について経営者と一体的な立場にあること

②    出退勤の時間が厳格な制限を受けてないこと

 

名称ではなく実態で判断します

名称では管理職者であっても、実態は①②に該当しなければ、労働時間等の規定は適用除外となりません。仮に、就業規則に管理職者に「割増賃金を支給しない」と規定していても、時間外労働や休日労働を行わせれば、割増賃金の支払いが必要です。

 

→管理職者に割増賃金を支払わない場合には、相応の手当を支給することが望ましいでしょう。昇給したら、給料が目減りしたなどという結果を招かないよう、十分な配慮が必要です。

 

以上、管理者の割増賃金についてでした。

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