社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2015年6月

妊産婦にかかる労働基準法 その1   [ 2015.06.24 ]

育児に関する関心がますます高まっている今、妊産婦への対応も重要な労務管理ポイントです。労働基準法で定められている妊産婦に関するルールは以下の通りです。

 

1、産前産後の保護

女性労働者が出産する場合、産前6週間(多胎妊娠の場合には14週間)、産後8週間の休業が認められています。産前休業は労働者本人からの請求があれば休ませなければならないとなっていますので、出産直前ギリギリまで働くことを本人が選ぶことができます。

産後休業は本人の請求や意思を問わない強制的なものですが、産後6週間を経過した女性が請求した場合、医師が支障がないと認めた業務に就かせてもよいとされています。

産前産後休業中の賃金の支払いは使用者に義務付けられておらず、就業規則等に有給の定めのない限り無給でもかまいません。

 

 

2、母性機能に有害な業務への就業禁止

母体に有害であるとされる一部の業務について、女性を働かせてはならないとされているものがあります。

例えば坑内労働については、会社は、妊娠中の女性および坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後1年を経過しない女性を、坑内で行われる全ての業務に就かせてはなりません。また、上記以外の満18歳以上の女性についても、坑内で行われる掘削の業務その他の女性に有害な業務として厚生労働省令で定めるものに就かせることはできません。そのほか、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務、その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせることはできません。

また、使用者には、妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させることが義務付けられています。

最低賃金はどのように決まるか   [ 2015.06.17 ]

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。例えば漫画家のアシスタントという仕事において「憧れの○○先生のもとで働けるなら時給1円でいいです!」と労働者側が言ったとしても、その金額が最低賃金を下回っているので、法律によって「無効」とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。

 

使用者が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合には、使用者は労働者に対してその差額を支払わなくてはなりません。

 

地域別最低賃金

「地域別最低賃金」とは、産業や職種にかかわりなく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金です。各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められています。毎年10月~11月に最低賃金が決定されます。

 

特定(産業別)最低賃金

「特定(産業別)最低賃金」は、特定の産業について設定されている最低賃金です。関係労使が基幹的労働者を対象として、「地域別最低賃金」よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認める産業について設定されています。

 

罰則

地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、罰則(50万円以下の罰金)が定められています。なお、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

 

連絡が取れず行方不明になった社員を解雇にできるか   [ 2015.06.10 ]

突然連絡が取れなくなり、自宅や実家に連絡しても行方がわからなくなった社員の多くはもう働くつもりはないでしょうから、ほとんどの場合辞めてもらうのが妥当でしょう。

 

辞めてもらう場合は①解雇(会社からの一方的な雇用契約打ち切り)という取扱いと②就労の意思がないとみなして「自己都合退職」としての取り扱いの2パターンがあります。

 

解雇として取り扱う場合

解雇にする場合、就業規則の解雇事由に「○日以上無断欠勤が続き、連絡が取れない場合は解雇として取り扱う」などの取り決めをしていなければなりません。通常14日以上の無断欠勤は解雇事由として妥当と言われています。

ここで問題になってくるのは、「どうやって相手に解雇を伝えるか」です。解雇とは会社側からの一方的な契約打ち切りを「通告」することですから、会社の解雇の意思が相手に到達しなければ効力を発揮しません。

現実的な順序としては、①本人に電話やメールなど通常の連絡を試みる②ダメなら実家や保証人などに連絡をする③それでもだめなら「○○日以内に連絡がなければ解雇として取り扱う」という文面を配達が記録される方法で郵送するという流れになるでしょう。

簡易裁判所に公示送達という手続きを申し立てて法的に解雇の意思表示を有効にする手段もありますが、面倒ですし費用も掛かるのであまり用いることはないと思われます。

 

自己都合退職として取り扱う場合

この場合も就業規則に「○日以上無断欠勤が続き、連絡が取れない場合は就労の意思なしとみなして自己都合退職をしたものと取り扱う」などの規定をしておくことが前提になります。

ただし、「連絡が取れない」だけでは「連絡をとるつもりがない」のか、「事情があって取れない」のかがわかりませんので、厳密には自己都合退職として取り扱うことには疑問が残ります。退職処理をした後で本人がひょっこり現れた場合、退職処理の取り消しをしなければならない場合もあるということを心得ておきましょう。

ただし、ユニフォームを返却している、保険証を返納してきているなど、状況から考えて辞める意思が見られる場合は自己都合として取り扱ってもよいでしょう。

人事労務の環境整備不足を「負債」であると考える   [ 2015.06.03 ]

会社の財務状態を表す「貸借対照表=バランスシート」の見方はご存知でしょうか。左右に分かれているバランスシートは、右側が「資本および負債:お金をどうやって調達したか」を表し、左側が「資産:そのお金が何に姿を変えているか」を表します。

 

健全な会社は「負債」つまり借金や未払い金が少なく、「資産」の中ですぐに現金化できるものが多いと言われています。例えば借金が少なく自己資本で多くのお金を調達しつつ、それを現金や貯金の状態でたくさん持っていれば、いざというときに支払いに困らずに済みます。

 

人事労務の環境の整備状況は基本的にこのバランスシートに表れない数字ですが、実は「目に見えない負債」にあたると考えられます。

 

つまり、残業代や過重労働への対策を何もしていなければいつかそれがトラブルになり、100万円単位のお金が出ていくことになるかもしれません。

 

この人事労務の環境整備の不足とは、例えば次のようなことがあります。

 

・残業代対策ができていない

・休日労働が多い

・健康診断をしていない

・うつ病の人が増えているが対策をしていない

・退職金規程がバブル時期のままで、たくさん支払いが生じる予定がある

・育児休業制度の未整備

 

これらを放置しておくと、会社の財務状態に一気にダメージを与える可能性があることを経営者はよく意識しておく必要があります。専門家の意見を聞きながらしっかり整備を進めていくことをオススメします。

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