社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2016年1月

通勤手当の非課税限度額について   [ 2016.01.27 ]

通勤手当は実否弁償的な意味合いが強いため、本人の所得を計算する上では非課税となります。ただし、近所から通勤する社員に多額の通勤手当を支払うなど、本来かかるであろう実費を超えて支給している場合は、名前が通勤手当であっても全額非課税とされないことがあります。

 

通勤手当の非課税限度額については通勤方法別に以下のような基準が決まっています。

 

 

1、交通機関又は有料道路を利用している人に支給する通勤手当

⇒1か月当たりの合理的な運賃等の額(最高限度 100,000円)

 

2、自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当

通勤距離が片道55キロメートル以上である場合         31,600円            

通勤距離が片道45キロメートル以上55キロメートル未満である場合   28,000円

通勤距離が片道35キロメートル以上45キロメートル未満である場合   24,400円

通勤距離が片道25キロメートル以上35キロメートル未満である場合   18,700円

通勤距離が片道15キロメートル以上25キロメートル未満である場合   12,900円

通勤距離が片道10キロメートル以上15キロメートル未満である場合   7,100円

通勤距離が片道2キロメートル以上10キロメートル未満である場合     4,200円

通勤距離が片道2キロメートル未満である場合           (全額課税)      

 

3、交通機関を利用している人に支給する通勤用定期乗車券   

⇒1か月当たりの合理的な運賃等の額(最高限度 100,000円)

 

4、交通機関又は有料道路を利用するほか、交通用具も使用している人に支給する通勤手当や通勤用定期乗車券             

⇒1か月当たりの合理的な運賃等の額と2の金額との合計額(最高限度 100,000円)

 

つまり、電車やバスの定期券や定期代は10万円までは非課税ですが、車やバイク、自転車などを使用する通勤については「距離によって」非課税限度額が設定されています。

すぐ辞めた社員について、離職証明書(いわゆる離職票)を作らなければならないか   [ 2016.01.20 ]

雇用保険法上の手続きである「離職証明書」は、在職中の賃金額や退職理由などをいちいち記載しなければならず、手続きが多少面倒です。入社してすぐ辞めてしまった社員についても「離職証明書」を作成し、届出をしなければならないのでしょうか。

 

失業保険のルール:

自己都合で会社を辞める場合、基本手当(いわゆる失業保険)を受給するためには要件があります。被保険者期間が離職日以前2年間に12ヵ月以上なければ基本手当の受給要件に該当しません。つまり概ね1年以上勤めていない場合、せっかく離職票を作っても失業保険はもらえないように見えます。

 

離職証明書作成届出の基準:

原則論からすれば、資格喪失届に離職証明書を添付することになっており、基本手当を受給できるかどうか?は関係ありません。ですから、例えば被保険者期間が1ヵ月未満であっても交付義務はあります。

 

ただし、本人が離職票の交付を希望しないときは省略することが可能です。

(離職時の年齢が59歳以上のときは高年齢雇用継続給付との関連があるので、交付する必要があります。)

 

つまり、退職社員に作成希望の有無を確認し、必要ないと言われれば省略、ただし59歳以上だった場合は希望に関わらず作成するようにしてください。

 

基本手当がもらえないとは限らない:

ちなみに、1つの会社での在籍期間が1年未満でも、その前の雇用保険期間と合算できることがあります。直近の会社を1ヶ月で辞め、その前の会社を11か月で辞めた場合などは、二つの社歴を合算して基本手当がもらえることがあります。

育児短時間勤務と社会保険の適用   [ 2016.01.13 ]

3歳未満の子どもを育てる従業員は、育児介護休業法により所定労働時間を短縮する制度(原則として1日6時間)を利用できます。所定労働時間とは、就業規則等で定められた勤務時間のことです。

 

対象者:

3歳未満の子どもを育てる男女従業員

※期間を定めて雇用されている従業員も利用できます。※配偶者が専業主婦(夫)であっても利用できます。

 

ただし、日雇いの従業員や、そもそも1日の所定労働時間が6時間以下の従業員は対象になりません。また、勤続年数1年未満の従業員など一定の従業員については、労使協定などで対象外となることがあります。

 

短縮時間や利用できる期間:

短時間勤務の時間については、会社は必ず1日の所定労働時間を5時間45分~6時間 とする制度を作らなければならないとされています。それより長くても短くても(たとえば所定労働時間を5時間、7時間と定めること)法的な基準を満たしたことになりません。ただし、所定労働時間を6時間とする措置に加えて、5時間あるいは7時間とする選択肢を設け、労働者に選択させるのであれば問題ありません。

 

利用できる期間は子どもが3歳になるまでの間で従業員の申し出る期間となります。

 

社会保険適用:

社会保険の適用については、常用的使用関係にあり、労働時間と労働日数が、それぞれ一般社員の4分の3以上であるときは、原則として被保険者となります。逆に言うと、原則として一般の社員の4分の3未満であれば社会保険は加入しません。

ただし、短時間勤務者が正社員の場合は、上記とは別に、下記の事項を満たしている場合に社会保険の被保険者となる可能性があります。

ア.労働契約、就業規則、給与規程等に、短時間正社員に係る規定がある

イ.期間の定めのない労働契約が締結されている

ウ.給与規程等における時間当たりの基本給・賞与・退職金等の算定方法等が同一事業所に

雇用されるフルタイム正社員と同等で、かつ就労実態も諸規程に則している

有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する注意点②   [ 2016.01.06 ]

契約社員(期間の定めがある雇用契約により雇った社員)の雇止めをすると、社員としては生活が脅かされるため、多くのトラブルが発生しています。雇用の打ち切りについての取扱いは十分な注意が必要です。

 

 

雇止めの予告:

使用者は、有期労働契約(有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者に限ります。なお、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除きます。)を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません。

 

予告の対象となる有期労働契約は、

① 有期労働契約が3回以上更新されている場合

② 1 年以下の契約期間の労働契約が更新または反復更新され、 最初に労働契約を締結してから継続して通算 1 年を超える場合

③ 1 年を超える契約期間の労働契約を締結している場合

です。

 

雇止めの理由の明示:

使用者は、雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければなりません。また、雇止めの後に労働者から請求された場合も同様です。明示すべき 「雇止めの理由」 は、 単に「契約期間の満了」ではなく、具体的な説明を求められます。

 

例:

・ 前回の契約更新時に、 本契約を更新しないことが合意されていたため

・ 契約締結当初から、 更新回数の上限を設けており、 本契約は当該上限に係るものであるため

・ 担当していた業務が終了・中止したため

・ 事業縮小のため

・ 業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため

・ 職務命令に対する違反行為を行ったこと、 無断欠勤をしたこと等勤務不良のため

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