社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2016年12月

退職勧奨と解雇の違い   [ 2016.12.14 ]

退職勧奨とは、会社からの労働契約解除の「提案」を言います。提案するのも自由であると同時に、その提案に社員が応じるかどうか(退職するかどうか)は当人の意思にまかされ、社員が「合意」することをもってはじめて退職となります。

 

一方、解雇は本人の意思に関係なく「一方的に」労働契約を打ち切るものです。一方的な契約解除であるため、法律で「客観的合理性と社会通念上の相当性がないと解雇無効」と、その要件が厳しく設定されているというわけです。

 

上記のような違いがあるため、退職に関する平和的解決のために退職勧奨措置が取られることが少なくありません。ただし、両者には明確に定義に異なりがありますが、処分が用いられる場面は似ています。どちらも「やめてほしい事情がある」わけです。

 

退職勧奨とはそもそも退職を強要するものではないため、原則として制約はありません。どんな事情であっても構わないわけですが、実際には多くの労働者は給与収入が唯一の生活手段でしょうから、退職勧奨により退職を提案する場合、それなりの事情(会社の経済事情、人員過剰、業務への適性など)を説明し、理解・納得してもらう必要があります。

 

ただし、退職することを説得するための手段、方法が「社会的相当性を欠く」場合は、違法な退職勧奨とみなされることがあります。

 

社会的相当性を欠く退職勧奨とは、次のようなものです。

 ・強迫、詐欺に類する行為があった場合(部屋に閉じ込めて説得したり、大声で怒鳴ったりした場合)

 ・暴力行為があった場合

 ・仕事を減らすなど、嫌がらせ行為があった場合

 ・退職を断っているのに執拗に説得を繰り返す場合

 

違法な退職勧奨による退職は、「無効」もしくは「取り消される」こととなります。専門家の意見を聞きながら慎重に行う方が良いでしょう。

賃金支払いの際の注意点   [ 2016.12.07 ]

賃金は多くの労働者にとって唯一の生活の糧であるため、払い方や金額について様々な法律上のルールがあります。以下、代表的なものをご紹介します。

 

1、      最低賃金

まず、毎年定められる地域別または職種別の最低賃金以上を支払う必要があります。例えば、「著名な作家の下でアシスタントとして働けるなら、時給10円でいいです」と労働者が申し出たとしても、その労働契約は最低賃金法違反となり、少なくとも最低賃金で契約を結んだとみなされます。

 

2、      支払いの5原則

賃金は①通貨払いの原則があり、現物で支払うことは基本的に認められていません。②また、直接働いた本人に支払う必要があります。さらに③その月分の全額を支払わなければなりません。勝手に給与から費用を天引きしてはいけないことになっています(労使協定により天引きが認められることがあります)。④毎月1回以上支払う必要があります。⑤一定期日に支払う必要があります。先月は15日に、今月は月末に支払うと言う支払い方は許されません。

 

3、      減給の制裁

何か悪いことをした社員に制裁(ペナルティー)の意味で減給をする場合でも、その減給額は平均賃金の半額まで、1か月単位で見ても給与の10%までと決まっています。※減給という懲戒処分をするためには、就業規則などの根拠を必要とします。

 

4、      休業手当

会社の都合で労働者を休ませた場合、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります。会社都合の休業とは、生産調整のために工場を休業する場合などを指します。

通勤災害の定義   [ 2016.12.01 ]

通勤災害とは、労働者が通勤により被った負傷、疾病、障害又は死亡を言います。ある事故が通勤災害となるか否かは、次の基準により決まります。

 

言葉の定義:「通勤」

この場合の「通勤」とは、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くとされています。

 

(1)住居と就業の場所との間の往復

(2)就業の場所から他の就業の場所への移動

(3)住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動

 

ただし、移動の経路を逸脱し、又は移動を中断した場合には、逸脱又は中断の間及びその後の移動は「通勤」とはなりません。

 

言葉の定義:「就業に関し」

通勤とされるためには、移動行為が業務に就くため又は業務を終えたことにより行われるものであることが必要です。したがって、被災当日に就業することとなっていたこと、又現実に就業していたことが必要です。この場合、遅刻やラッシュを避けるための早出など、通常の出勤時刻と時間的にある程度の前後があっても就業との関連性は認められます。

 

言葉の定義:「合理的な経路及び方法」

就業に関する移動の場合に、一般に労働者が用いるものと認められる経路及び方法をいいます。合理的な経路については、通勤のために通常利用する経路であれば、複数あったとしてもそれらの経路はいずれも合理的な経路となります。

また、当日の交通事情により迂回してとる経路、マイカー通勤者が貸切りの車庫を経由して通る経路など、通勤のためにやむを得ずとる経路も合理的な経路となります。しかし、特段の合理的な理由もなく、著しい遠回りとなる経路をとる場合などは、合理的な経路とはなりません。

次に、合理的な方法については、鉄道、バス等の公共交通機関を利用する場合、自動車、自転車等を本来の用法に従って使用する場合、徒歩の場合等、通常用いられる交通方法を平常用いているかどうかにかかわらず、一般に合理的な方法となります。無免許運転の自動車などは、合理的方法とはみなされない可能性が高いでしょう。

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