社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2017年2月

高額療養費と限度額認定について   [ 2017.02.22 ]

病院に長期入院した場合、治療が長引く場合に医療費の自己負担が高額になることがあります。その場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分の払い戻しが受けられる制度が健康保険上にあります。

 

自己負担額について

自己負担限度額は、年齢および所得状況により以下のように設定されています。ここでは70歳未満の限度額について紹介します。

 

1、所得区分(標準報酬月額83万以上)

自己負担額:252600円+(総医療費-842000円)×1%

 

2、所得区分(標準報酬月額53万~79万円)

自己負担額:167400円+(総医療費-558000円)×1%

 

3、所得区分(標準報酬月額28万~50万)

自己負担額:80100円+(総医療費-267000円)×1%

 

4、所得区分(標準報酬月額26万以下)

自己負担額:57600円

 

5、所得区分(低所得者)、被保険者が市区町村民税の非課税者等

自己負担額:35400円

 

 

例えば、標準報酬月額36万円の方で医療費が60万円かかった場合

自己負担額:80100円+(600000円-267000円)×1%=83430円となります。

 

限度額認定について

70歳未満の方で、あらかじめ長期入院により医療費が高額になることが分かっている場合、一医療機関での窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。

ただし、この制度を利用するには、事前に「健康保険限度額適用認定申請書」を提出し、「健康保険限度額適用認定証」の交付を受けたうえで窓口にて提示する必要があります。

 

 

高額療養費と限度額認定は、医療費の自己負担を一定に抑えてくれる同じ趣旨の制度です。ただ、限度額認定が窓口での支払いを自己負担限度額に抑えられるのに対し、高額療養費は、自己負担限度額の超過分を後から取り戻す申請をしなければならないため、一時的にでも費用負担が大きいです。

 

また、高額療養費の審査には3ヵ月以上かかるので払い戻しまでに時間もかかります。従業員から長期入院することを事前に聞いている場合は、「限度額認定」が受けられるよう便宜を図ってあげられると良いでしょう。

インターネット上で検索できる事業所の社会保険適用状況について   [ 2017.02.15 ]

平成28年10月よりパートタイマーへの社会保険適用拡大が始まりました。 対象事業所は被保険者数が501人以上の規模であり、「特定適用事業所」として分類されます。

一方で、本来社会保険に加入すべき事業所については、 日本年金機構より継続的に加入促進の案内が行われており、適正加入の促進が行われています。

 

このような背景もあり、10月31日より事業所の社会保険の適用事業所がイン ターネット上に掲載されることになりました。掲載内容は以下の通りとなっています。

 

 

適用事業所に係る事項

1、事業所の名称及び所在地

2、特定適用事業所であるか否かの別

3、当該事業所に係る日本年金機構の業務を分掌する年金事務所

4、事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、法人番号

 

 

適用事業所に該当しなくなった事業所に係る事項

1、事業所の名称及び所在地

2、適用事業所に該当しなくなった年月日

3、当該事業所に係る日本年金機構の業務を分掌する年金事務所

4、事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、法人番号

 

今回、ホームページに掲載されたことにより、事業所の社会保険適用状況を 従業員含め誰でもインターネットから把握することができるようになりました。また、求職者の方でも事業所の社会保険加入状況を事前に判断できるようになっていますので、会社の社会保険適用有無は、求人応募にますます影響がでてくるのではないでしょうか。

インターネットのブログやSNSの発信を会社が取り締まることができるか   [ 2017.02.08 ]

ブログ、facebook、ツイッターなどSNSが普及し、ネット上にいろいろな書き込みが手軽にできるようになりました。このことにより「会社の悪口を書く」「同僚同士のいじめや誹謗中傷が起こる」「会社の秘密情報をばらす」などの新たな労務問題の発生リスクが高まりました。企業はSNSについてどう対応したらよいでしょうか。

 

ポイントは「企業秩序」:

各人には原則として憲法で保障された言論の自由がありますので、個人的な信条や感情をブログなどで表現することについて会社は制限をする立場にありません。しかし、社員には集団行動をする上で団体の秩序を守る義務が当然に課せられていると解されるため、「会社のブランドイメージを壊す」「書き込みの内容が事実に反しており、風評被害を招く」、「機密情報を漏洩する」、「社内不和を招く」恐れがある場合など、「企業秩序を乱す」場合は、懲戒処分(ペナルティー)の対象とすることが考えられます。

行き過ぎたSNSの使用に対しては、懲戒処分により抑止する方策を考えましょう。

 

懲戒の対象と考えられる書き込み内容とは、以下のものが挙げられます。

・事実に反するもの

・批判内容が社会的に相当な範囲を逸脱して不穏当な誹謗中傷となるもの

・機密情報を漏洩するもの

・上司・同僚の個人攻撃をしているもの

 

就業規則に根拠条文を追記する:

まず、就業規則に懲戒の根拠となる以下のような規定を整備します。

 「正当な理由なく、会社の名誉又は信用を損なう行為をしないこと」

 「インターネット上に、会社や会社の社員に関する事項を掲載しないこと」「秘密情報を漏洩しないこと」「犯罪行為を自慢するような反社会的動画などを掲載しないこと」 など、できるだけ禁止行為を列挙しておきましょう。

 

内容によっては会社の信用を失墜させたことを理由として、行為をした社員に対し損害賠償請求をすることも考えられます。

インフルエンザ等感染する病気にかかった社員への対応   [ 2017.02.01 ]

体調不良により急に仕事を休む社員がいると現場に支障をきたしますが、インフルエンザ等感染する病気にかかった場合など、他の従業員に伝染しないように無理に出勤させず休ませた方が良いこともあります。インフルエンザなどで社員を休ませた場合、賃金等の処遇においてはどうすれば良いでしょうか。

 

法定伝染病とそれ以外では対応が異なる:

法定伝染病の場合、労働安全衛生規則第61条第1号において「病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾患にかかった者」については「その就業を禁止しなければならない」と定められています。言い換えると、会社は病気の拡散を防ぐために病気の社員を出社させてはいけないということです。

 

<病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾患>

 結核、梅毒、淋病、トラコーマ、流行性角膜炎

 上記に準ずる伝染性疾患(感染症予防法18条)

  一類、二類、三類感染症の患者※

※エボラ出血熱、ペスト、鳥インフルエンザなど

 

これらの病気については、法律で出社させてはいけないと定められているため、当然に給与の支払い義務はありません。また、会社都合で休ませた時に発生する「休業手当」の支払いも不要となります。

 

インフルエンザは対象外

ところがインフルエンザ等(はしか、風疹、ノロウイルス等)は、感染症予防法の分類上、就業禁止の対象となるべき法定伝染病には該当しませんので、会社ごとに対応方針を決める必要があります。

通常は病気が社員へ拡散することを防ぎたいでしょうから、休業を命じることになるでしょう。その場合会社都合による休業になります。したがって、最低でも休業手当(平均賃金の60%)の支払いが必要となります。

もっとも、有給休暇を当人が取得して100%給与を受け取る権利もあります。

法定伝染病とそれ以外では就業禁止の根拠及び賃金の支払いの取り扱いが違うので注意が必要です。

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