社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2017年3月

年次有給休暇の比例付与について   [ 2017.03.29 ]

年次有給休暇(以下:有給)の比例付与とは

所定労働日数が通常の労働者に比べて少ないパートタイム労働者などについて、通常の労働者との均衝を図るため、その所定労働日数に応じて別の有給付与に関する基準があります。これを有給の比例付与と言います。

 

 

対象労働者

週所定労働者が30時間未満であり、かつ、下記①、②のいずれかに該当する者。

 

①    週所定労働日数4日以下の者

②    週以外の期間によって所定労働日数が定められている場合には、年間所定労働日数が216日以下である者

 

付与要件

通常の労働者と同じく、労働者から請求があった場合

 

付与日数

所定労働日数に応じて、最低1日から最高15日までの日数が以下のように定められております。

 

週所定労働

日数

1年間の所定労働日数

6箇月

1年

6箇月

2年

6箇月

3年

6箇月

4年

6箇月

5年

6箇月

6年

6箇月以上

4日

169~216日

7日

8日

9日

10日

12日

13日

15日

3日

121~168日

5日

6日

6日

8日

9日

10日

11日

2日

73~120日

3日

4日

4日

5日

6日

6日

7日

1日

48~72日

1日

2日

2日

2日

3日

3日

3日

 

 

「パートやアルバイトならば有給を与えなくて良い」と言う誤解をなさっている方も多いと思いますが、上記表に当てはまる働き方をしている労働者がいた場合は有給を与えなければなりません。

また、1日の勤務時間数が短い労働者であっても週5日以上働くようなら通常の有給規程が適用されますので注意が必要です。

休職制度について   [ 2017.03.22 ]

休職制度とは、一般に病気やけが、出向などをするため一定期間仕事をすることができないときに、在籍のまま仕事の中止を命ずる制度です。法律で義務付けられているわけではありませんので、まったく休職制度を設けないことも可能ですが、現実的には「病気で働けないのであれば即時に解雇」という取扱いをすることも難しいため、退職までの猶予期間として設けている会社が多いでしょう。

 

休職は会社に決定権がある:

よく勘違いされますが、休職は労働者の当然の権利ではありません。そもそも病気で休みがちな人を積極的に会社が採用することは通常ありえないことで、決められた日数を健康な状態で働くことを期待して雇っているはずです。言い換えると、労働契約は会社の「給料を支払う義務」と労働者の「健康に働く義務」を交換し合っているものですから、「健康に労働ができない」ということは本来契約違反であり解雇の理由にもなりえます。

そこに特例として病気などの事情を考慮して「すぐに解雇などはしないが、今はパフォーマンスが低い状態だから休むこと」と会社から命令をするのが休職命令です。

 

つまり、休職開始の手続きの順序は以下の流れが適切でしょう。

 

1、本人が病気などの事情を理由に休職願を申し出る。

2、会社が休職理由や状態などを考慮し、休職の命令をする。

 

病気療養中の休職者には治療に専念する義務がある:

休職者には当然「しっかり治療に専念する義務」があります。精神疾患による休職の場合など、休職中に会社から連絡を取ることをためらうこともありますが、「治療に専念する義務」を果たしているかを確認するという目的の範囲内であれば、会社は休職者に容体の報告をさせることができます。

 

復職の決定権も会社にある:

一方で復職の際の決定権も会社にあります。本人が復帰できると主張しても、「元の業務に戻れるか、配置転換が必要か」「もとの勤務時間で働けるか」「主治医以外の医師の意見はどうか」など、会社側の基準に従って慎重に復職の可否を判断するようにしましょう。

労災保険はどこまで適用されるか   [ 2017.03.15 ]

休憩時間、外で過ごす従業員もたくさんいると思います。そんな時に怪我をしてしまったら労災保険の適用されるのでしょうか。

 

休憩中の外出時について

休憩時間については労働基準法第34条第3項により、労働者が自由に行動することが許されており、その間の個々の行為自体は労働者の私的行為といえます。

そのため、休憩時間中に外出して怪我をしたとしても業務との因果関係が認められず、労災保険給付は受けられないと考えられます。

 

退勤後について

では、退勤後についてはどうでしょうか。退勤後はそれが通勤中とみなされるかがポイントです。

終業後直ちに住居へ向かう場合は問題ありませんが、逸脱・中断の場合、労災保険(通勤災害)の対象とならない可能性があります。

また、通勤と関連のない私的行為については、誰もが行うような「ささいな行為」を除き、一般には「逸脱・中断」とみなされ、逸脱・中断の時点から通勤として取り扱わないことになります。

ささいな行為とは、経路の近くにある公衆便所を利用する、経路上の店でタバコ、新聞等を購入する等をいい、スーパーで日用品を購入する行為は、「ささいな行為」とはいえず、通勤行為の中断と判断され、中断後は一切通勤災害とは認められません。

 

ただし、労災保険法第7条第3項ただし書きにおいて、(通勤の経路の)「逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であって厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りではない」と規定されており、日用品の購入その他これに準ずる行為はこれに該当することとされていますので、その後通常の通勤経路に戻った場合には、通勤として取り扱われます。

 

従業員が事業所の外で怪我をし、労災が適用されるかの判断に迷った場合は、労働基準監督署や社労士に相談するようにしましょう。

就業規則が有効であるための条件   [ 2017.03.08 ]

作成した就業規則が有効であると会社が主張するためには、以下の点に特に注意する必要があります。

 

1、従業員に周知をしていること

2、その内容が合理的であること

 

「周知」という言葉の定義については「従業員が見ようと思ったら見ることができること」とされています。例えば次のような状態を指します。

・常時事業場の見やすい場所に掲示してある、または誰もが手に取れる書棚に保管してある。

・コピーが従業員に配布されている

・会社のパソコンのデスクトップなどにワードデータが保存されている

 

「就業規則は全従業員に配布しなければならないのか」という質問がありますが、労働基準法上の「周知」は配布までは義務付けていません。

ただし、「周知がちゃんとされていたか否か」ということは労働問題が起きた時に争点になりやすいことも確かです。後になって「就業規則があることを知らなかった」という言い分に対抗できるように、会社としては慎重に就業規則周知方法を選択しなければなりません。

 

次に「合理的な内容であるか否か」についてですが、こちらは裁判所において判断することになります。内容が労働基準法を下回る場合は無効となりますが、そうでなければ合理性は争っている事案ごとにケースバイケースで決定されます。

例えば、時代の流れに合わせて出張の日当を減額する就業規則変更を行った場合、その日当減額が「会社側の論理としては合理的」でも「客観的な財務状態や労働者の不利益の程度の面からみて合理性がない」と裁判所で判断されることもあります。

 

なお、事業所の労働者数が10人以上の場合は就業規則を労働基準監督署へ届出する義務がありますので忘れないようにしましょう。

社会保険調査で見られるポイント   [ 2017.03.01 ]

年金事務所から会社宛てに、社会保険調査の為の呼び出しがかかることがあります。

 

 

社会保険調査とは

年金事務所が会社に対して社会保険料を適切に納めているかを確認する調査です。加入漏れや給与変更に伴う保険料変更手続きのし忘れなどの不適切な処理を発見し、正しい保険料を徴収するために行われます。

調査で確認される主なポイントは①加入漏れと②報酬金額です。

 

 

①加入漏れの確認

まず、タイムカードから出勤状況がチェックされます。社会保険の加入基準は正社員の4分の3以上ですので、基準を超えて働いているパートがいないかチェックされます。一般に正社員は法定労働時間上限の「週40時間労働」のことが多く、この4分の3である「週30時間以上」働いている形跡がある場合、加入漏れの可能性を指摘されるでしょう。

 

 

②報酬金額の適性の確認

報酬金額が正しく届出されているかも要チェックです。例えば給与額が30万円でありながら社会保険の標準報酬月額が20万円であるなら、その10万円の差額は指摘を受けるでしょう。

 

 

未加入者が発見された場合、過去に遡って保険料負担が発生することがあります。保険料は本来、会社と社員が折半するものですが、会社の不手際で未加入であった場合、社員から折半の同意を得られるかはわかりません。

 

 

調査で指摘されたことを無視し続けた場合は、最悪財産を差し押さえられることもあります。無視をした以後は立ち入り調査の対象となり、目を付けられることもありますので注意してください。

最新記事

カテゴリ別

月別記事

サービス案内

お役立ちコラム 新着記事

社会保険労務士法人ティグレ

  • 東京
  • 〒160-0023
  • 東京都新宿区西新宿6-12-1
    パークウェストビル10F
  • 電話:03-5321-6346
  • FAX:03-5321-5724
  • 大阪
  • 〒540-0012
  • 大阪市中央区谷町2-6-4
    谷町ビル8F
  • 電話:06-6943-9338
  • FAX:06-6943-9339
  • 名古屋
  • 〒460-0002
  • 名古屋市中区丸の内1-17-29
    NFC丸の内ビル9F
  • 電話:052-205-7209
  • FAX:052-205-7206
  • 福岡
  • 〒812-0038
  • 福岡市博多区祇園町4-60
    博多祇園プラザビル6F
  • 電話:092-273-2880
  • FAX:092-273-2881

事務所案内の詳細

お問い合わせフォーム

ティグレグループ リンク