社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2017年8月

労災の対象となるためには(業務起因性と業務遂行性)②   [ 2017.08.23 ]

業務遂行性とは:

労災の対象となるためには、「仕事中であった」ということを証明できる状態にある必要があります。これを業務遂行性と言いますが、業務遂行性は次のように判断されます。

 

(a)事業主の支配・管理下にあって業務に従事している場合

この場合、災害は被災労働者の業務としての行為や事業場の施設・設備の管理状況などが原因となって発生するものと考えられますので、他に業務上と認め難い事情がない限り、業務上と認められます。

 

業務上と認め難い特別な事情としては次のような場合などが考えられます。

・被災労働者が就業中に私用(私的行為)又はいたずら(恣意的行為)をしていて、その行為が原因となって災害が発生した場合

・労働者が故意に災害を発生させた場合

・労働者が個人的なうらみなどにより、第三者から暴行を受けて被災した場合など

 

(b)事業主の支配・管理下にあるが業務に従事していない場合

出社して事業場施設内にいる限り、労働契約に基づき事業主の施設管理下にあると認められますが、休憩時間や就業前後は実際に仕事をしているわけではないので行為そのものは私的行為であり「業務を遂行している」わけではないです。

この場合、私的な行為によって発生した災害は業務災害とは認められません。

休憩時間に同僚と相撲をとっていて腰を痛めた場合やキャッチボールをしていた時に負傷した場合など。

 

 (c)事業主の支配下にあるが、管理下を離れて業務に従事している場合

出張などの事業場施設外で業務に従事している場合は事業主の管理下を離れているが、労働契約に基づき事業主の命令を受けて仕事をしているわけですから、途中で積極的な私的行為を行うなど特段の事情がない限り、一般的に業務遂行性が認められます。さらに業務起因性についても特にこれを否定すべき事情がない限り、業務災害と認められます。

労災の対象となるためには(業務起因性と業務遂行性)①   [ 2017.08.16 ]

労災保険は仕事中のけがや、仕事が原因の病気が起きた時に必要な補償を行うものですが、詳しくは「業務起因性」と「業務遂行性」があるかどうかで労災補償の対象とするか否かを決めます。

 

業務遂行性とは:

 

業務上と認められるためには業務起因性が認められなければならず、その前提条件として業務遂行性が認められなければなりません。この業務遂行性は次のような3つの類型に分けることができます。

 

(1)事業主の支配・管理下で業務に従事している場合

担当業務、事業主からの特命業務や突発事故に対する緊急業務に従事している場合

担当業務を行ううえで必要な行為、作業中の用便、飲水等の生理的行為や作業中の反射的行為など

 

(2)事業主の支配・管理下にあるが、業務に従事していない場合

休憩時間に事業場構内で休んでいる場合、事業附属寄宿舎を利用している場合や事業主が通勤専用に提供した交通機関を利用した場合など

休日に構内で遊んでいるよう場合は、事業主の支配・管理下にあると言えません

 

(3)事業主の支配下にはあるが、管理下を離れて業務に従事している場合

出張や社用での外出、運送、配達、営業などのため事業場の外で仕事をする場合

事業場外の就業場所への往復、食事、用便など事業場外での業務に付随する行為を行う場合など

出張の場合は、私用で寄り道したような場合を除き、用務先へ向かって住居又は事業場を出たときから帰り着くまでの全行程に亘って業務遂行性が認められます。

社員に対して、ミスをした損害を弁償させることができるか   [ 2017.08.09 ]

大手コンビニチェーンにおいて、レジの誤算があった時に罰金をとった企業の行為が非難された事件がありました。

社員に対して弁償をさせることは問題なのでしょうか。

 

 

ポイント

社員への損害賠償について、ポイントは以下の通りです。

 

・実際に発生した損害に対して賠償請求をすることは不可能でない

・ただし、労働者が業務の遂行に当たり会社に損害を与えた場合、ワザとである場合を除き、労働者の損害賠償責任は制限されるのが一般的である。

 

 

会社と社員は「労働契約」を結んでいる状態です。労働契約においては「給料を払う義務」と「働く義務」を交換している状態ですから、社員が職務の遂行にあたり、必要な注意を怠って労働契約上の義務に違反したような場合、契約違反として損害賠償を請求することはできます。

 

ただし、事業活動によるリスクはそれにより利益を得ている会社が負うべきであるという理屈もあります。つまり、社員がミスすることも織り込み済みで人を雇いなさい、というわけです。

 

そこで裁判所では、弱い立場の労働者を守るため、会社から労働者に対する損害賠償請求に制約を加えるという考え方をとっています。実際には、よっぽどの背任行為や、重大な過失があった場合でなければ、弁償をさせることは難しいでしょう。また仮に弁償が認められたとしても全額というわけにはいかない場合がほとんどでしょう。

軽はずみに弁償を求めたりしないよう注意してください。

休憩時間中の「電話番」は労働時間になるのか   [ 2017.08.02 ]

小規模の事業であれば、休憩時間中も事務員に電話番を頼むことがありますが、労働法から考えると注意が必要です。

 

労働時間とは

労働時間と休憩時間の違いとはなんでしょうか。労働時間とは、「使用者の指揮命令下にある時間帯」であり、休憩時間とは、使用者の指揮命令下にない時間帯のことをいいます。

 

つまり休憩時間とは、使用者が労働者に対して、業務上の指示をしてはいけない時間帯ということになります。電話番は「電話がなったらでなければならない」わけですから、休憩時間とは厳密に呼べないことになります。

 

休憩の原則

労働基準法では、休憩の3原則があります。

①    休憩時間は自由に、

②    労働時間の途中に、

③    一斉(業種によっては一斉に取得しなくてもいい業種もあります。たとえば販売業など)

に取得させることが明示されています。

 

休憩時間数

法律上付与しなければならない休憩時間は次のように決まっています。

 

労働時間8時間越え→60分以上

6時間越え8時間以下→45分以上

6時間以下→なくてよい

 

近年の労働裁判においては、「休憩時間か労働時間か」を巡って争いになることも少なくありません。例えば、「休憩1時間となっているが、実際は昼ごはんも食べられないほど忙しく、30分しか取れていなかった」という主張をされ、その主張が認められることもあります。1日30分の休憩時間が労働時間とみなされるだけでも積もり積もると大きな賃金不払いとなってしまいますので、休憩中の業務指示には注意しましょう。

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