社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2017年10月

慶弔休暇は必ず与えなければならないか   [ 2017.10.25 ]

与える法律的な義務はない:

結婚した時の長期休暇、配偶者が出産する時の休暇、または身内のお葬式の時の休暇など、慶弔時に休暇を与えることはよくありますが、実は法律的には慶弔休暇を与える義務はありません。つまり、身内が亡くなろうが結婚しようが、特別な休暇は「ゼロ」としても問題ないです。

特別な慶弔休暇をゼロとして、必要に応じて本人が「有給休暇を申請してとる」という方針にしてもなんら問題はありません。

日本における有給休暇の消化率はまだまた高くないので、有給休暇の取得率をアップさせるために慶弔休暇を特別設けないという選択肢もあるでしょう。

ただし、実際には社員の身近な人に起こった慶弔ごとですので、安心して休めるように慶弔休暇制度を設けておく企業が多いでしょう。

就業規則での特別休暇の規定の注意点:

上記のように特別休暇は法律上の義務ではないため、どのように与えるか、またどの程度の期間与えるかは会社が自由に決めることができます。

例:(慶弔休暇)

第○条

従業員が次の事由により休暇を申請した場合は、以下とおり特別休暇を与える。

本人が結婚したとき・・・○日

妻が出産したとき・・・○日

配偶者、子又は父母が死亡したとき・・・○日

兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母又は兄弟姉妹が死亡したとき・・・○日

慶弔休暇の規定・運用で注意すべきこと:

慶弔休暇について、その慶事や弔事があった証拠を提出させるなど、ずる休みが起きないようにルールを作ってもいいかもしれません。

なお、慶弔休暇を有給にするか無給にするかも自由です。

失業時の給付が手厚い「特定受給資格者」とは   [ 2017.10.18 ]

雇用保険の被保険者が退職した時、次の職を見つけるまでのつなぎとして「基本手当」、いわゆる失業保険が給付されます。

この基本手当は、失業者の状況によって給付の日数に差がつけられています。別の言い方をすると、手厚い保護が必要な人に対して多くの給付を、そうでない人に少ない給付をするように設計されています。

中でも、辞めた理由が「本人の責任とはいえず保護が必要な」人のことを「特定受給資格者」として手厚い保護をすることになっています。

特定受給資格者の種類は以下の通りです。なお、以下の退職理由でない者に対して事実と違う理由を書いて特定受給資格者とする行為は違法であり、会社がその違法行為に関与した場合は手当の返還やペナルティーの罰金の適用もあり得ます。

「倒産」等により離職した者

(1) 倒産(破産、民事再生、会社更生等の各倒産手続の申立て又は手形取引の停止等) に伴い離職した者

(2) 事業所において大量雇用変動の場合 (1か月に30人以上の離職を予定) の届出が されたため離職した者(※)及び当該事業主に雇用される被保険者の3分の1を超える者が 離職したため離職した者

(3) 事業所の廃止 (事業活動停止後再開の見込みのない場合を含む。)に伴い離職した者

(4) 事業所の移転により、 通勤することが困難となったため離職した者

「解雇」等により離職した者

(1) 解雇 (自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く。)により離職した者

(2) 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者

(3) 賃金(退職手当を除く。)の額の3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかったことにより離職した者

(4) 賃金が、 当該労働者に支払われていた賃金に比べて85%未満に低下した (又は低下することとなった) ため離職した者 (当該労働者が低下の事実について予見し得なかった場合に限る。)

(5) 離職の直前6か月間のうちに[1]いずれか連続する3か月で45時間、[2]いずれか1か月で100時間、又は[3]いずれか連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間を超える時間外労働が行われたため離職した者。事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者

(6) 事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用を不当に制限したこと又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたため離職した者

(7) 事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行って いないため離職した者

(8) 期間の定めのある労働契約の更新により3年以上 引き続き雇用されるに至った場合において当該労働契約が更新されないことと なったことにより離職した者

(9) 期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示された場合において当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した者(上記(8)に該当する場合を除く。)

(10) 上司、 同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇若しくは嫌がらせを受けたことによって離職した者、事業主が職場におけるセクシュアルハラスメントの事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者及び事業主が職場における妊娠、出産、育児休業、介護休業等に関する言動により労働者の就業環境が害されている事実を把握していながら、雇用管理上の必要な措置を講じなかったことにより離職した者

(11) 事業主から直接若しくは間接に退職するよう勧奨を受けたことにより離職した者 (従来から恒常的に設けられている 「早期退職優遇制度」 等に応募して離職した場合は、 これに該当しない。)

(12) 事業所において使用者の責めに帰すべき事由により行われた休業が引き続き3か月以上となったことにより離職した者

(13) 事業所の業務が法令に違反したため離職した者

給与の締め日、支払日を変更しても良いか   [ 2017.10.11 ]

経理や給与計算事務上の都合から、給与計算の締め日と支払日を変更したい場合、何を注意すべきかについて解説します。

1、法律的注意点

まず、法的に問題がないかどうかですが、賃金の支払いについては、労基法第24条で、次のルールがあります。

① 通貨払い

② 直接払い

③ 全額払い

④ 毎月1回以上払い

⑤ 一定期日払い

このうち④の毎月払いについて、ここでいう「毎月」とは暦によるものと考えられます。つまり、1日から末日までの間に少なくとも1回は賃金を支払わないといけないということになります。

給与締め日支払日を変更することにより、1回も給与が支払われないということが起こらないようにする必要があります。

続いて⑤の一定期日払いについて、「一定の期日に払われなければならない」となっていますが、賃金支払日は、就業規則によって自由に定めて良い事項であるため、他の賃金原則に違反せずに、ちゃんと手続きをすれば変更しても問題ありません。

2、実務上の注意点

ローンやカードの引き落としなどの都合を給与支払日に合わせているなど、従業員側も毎月の生活設計がありますので、なるべく早く通知して予告期間を長く設けてあげましょう。

その他、変更月を賞与支払月に合わせて従業員の負担を軽減したり、無利子での貸付を行うなどの措置を講ずることで不満の出ないように注意すると良いでしょう。

残業代を払わなくても良い管理監督者の条件は何か   [ 2017.10.04 ]

労働基準法によると、「労働時間、休憩及び休日に関する規定は、『事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者』については適用しない。」と決められています。

この規定により、「役職が付いている人には残業代の支払いが不要であるという誤解が世の中にありますが、実際にこの条文で示す「管理監督者」の要件は容易ではありません。

厚生労働省の通達(S63.3.14)で示された管理監督者に該当するポイントは以下の3点となります。

1.職務内容、権限、責任

労務管理について、経営者と一体的な立場にあること

重要な仕事をしていることがまず求められます。採用や企業全体の戦略策定など、管理者としてふさわしい業務を行い、権限があることが必要です。

2.勤務態様、労働時間管理の現況

労働時間、休憩、休日等に関して厳格な規制を受けず、自己の勤務時間について裁量性が認められていることが必要です。

端的にいうと、タイムカードなどで時間管理をされたり、遅刻したり欠勤したら給与が減らされるという取り扱いをしているときには、管理監督者として認められにくくなります。

3.給与が高い

賃金などの面で、一般労働者と比較してその立場に相応しい優遇を受けていることが必要です。管理監督者として認められる給与水準は「○○万円以上」などと明確には決められていません。年収1000万円でも管理監督者と見られないこともありますし、年収500万円でも管理監督者と判断されることもあるでしょう。

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