社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2018年3月

労災の特別加入とは   [ 2018.03.28 ]

労災保険は、本来、労働者つまり「雇われている人」の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度ですが、中小事業主や自営業主など労働者以外でも、その業務の実情、災害の発生状況などからみて、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の人には特別に任意加入が認められています。これが、「特別加入制度」です。

例えば小規模の建設業の社長自身が現場に入って作業をしている場合、事故のリスクがあるため特別に保護を受けることを選択できるというわけです。

この特別加入制度は、労働保険事務組合に事務委託をしている場合に利用することができます。

特別加入制度は以下4種類に分けられます。

⑴中小事業主の特別加入 (第1種特別加入)
中小事業主とは、労働者を常時使用する事業主及び、労働者以外で当該事業に従事する方(業務執行権を有する役員、家族従事者など)をいいます。

⑵一人親方の特別加入(第2種特別加入)
一人親方とは、労働者を使用しないで事業を行うことを状態とする方、その他の自営業者及びその事業に従事する方をいいます。

⑶特定作業従事者の特別加入(第2種特別加入) 特定作業従事者とは、「特定農作業従事者」「指定農業機械作業従事者」「国又は地方公共団体が 実施する訓練従事者」「家内労働者及びその補助者」「労働組合等の常勤役員」「介護作業従事者」の 6種類の作業に従事する方のことをいいます。

⑷)海外派遣者の特別加入(第3種特別加入)
海外派遣者とは、日本国内で行われる事業(建設の事業などは除きます)から派遣されて、海外支店、工場、現場、現地法人、海外の提携先企業等海外で行われる事業に従事する労働者のことを言います。

加入者の範囲、加入要件、加入手続き、加入時健康診断、業務上外の認定基準(保険給付の対象となる災害の範囲)などそれぞれの条件がありますので、当てはまるものをよく理解し加入することが良いでしょう。

なお、労災の特別加入のご相談は、全国の「一人親方特別加入団体ティグレ」で行っております。

傷病補償年金とは   [ 2018.03.21 ]

傷病補償年金とは、労働者が業務上による負傷や疾病で、療養開始後1年6か月を経過しても傷病が治らず、厚生労働省が定める傷病等級1級から3級に該当する場合に支給される保険給付の事を言います。また労働者が、出勤中に負傷した場合は傷病年金が支払われます。

傷病補償年金の額は、傷病の状態によって以下のようになっています。

第1級 給付基礎日数の313日分

第2級 給付基礎日額の277日分

第3級 給付基礎日額の245日分

傷病補償年金の受給権者には、特別支給金である傷病特別支給金と傷病特別年金が支給されます。

傷病特別支給金

傷病補償年金(労働災害で支給)又は傷病年金(通勤災害で支給)の受給権者に対して支給される一時金です。

傷病特別年金

傷病補償年金又は傷病年金の受給権者に対して支給される年金です。

給付金額は、算定基礎日額を用います。

傷病(補償)年金の手続について

手続きについては、労働基準監督署の権限によって支給・不支給が決定されるため、特にありませんが、療養開始から1年6ヶ月を過ぎても、傷病が治っていないときは「傷病の状況等に関する届」を管轄の労働基準監督署に届出る必要があります。

また、療養開始後1年6か月を経過しても傷病(補償)年金の支給要件を満たしていない場合は、毎年1月分の休業(補償)給付を請求する際に、傷病の状態等に関する報告書(様式第16号の11)をあわせて提出する必要があります。

雇用保険の適用拡大   [ 2018.03.14 ]

雇用保険の適用拡大は、被雇用者として勤める65歳以上の方にも雇用保険が受けられるように年齢の上限を事実上撤廃したものでH29年年1月1日からスタートしました。

今までの制度は、65歳以上の被雇用者に対し「⾼年齢継続被保険者」としての適用のみ認められており、満65歳になる前から同じ事業主に雇用され、それ以降も継続して就業する方々が対象となっていました。

つまり、H28年12末までは満65歳以上の方が新たな就業先で雇用される場合、雇用保険の適用は対象外。しかし、H29年1月1日からは「⾼年齢被保険者」として、65歳以上で職場を変えても適用要件を満たす場合は雇用保険の加入対象となりました。適用要件は

「週の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがあること」

企業としては、要件を満たす形で65歳以上の方を新たに雇用する場合、対象者が入社した翌月10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」を管轄のハローワークへの提出が必要です。

雇用保険の適用拡大によって、満65歳以上の従業員も被保険者の扱いとなることから、雇用保険に関わる「高年齢求職者給付金」「育児休業給付金」「介護休業給付金」「教育訓練給付金」の各種給付金が支給対象となることが従業員にとっての最大のメリットとなるでしょう。

企業としても、状況に応じてしっかりと確認して、対応する必要となってきます。

1週間単位の非定型的変形労働時間制とは   [ 2018.03.07 ]

・労働基準法の原則の不都合

労働基準法において、「1日8時間、1週間40時間」という法定労働時間を厳格に適用すると営業上支障をきたす場合があります。例えば旅館業や飲食店などの接客商売では、予約状況に応じて労働時間を変動させた方が都合が良いでしょう。そんな場合を想定している仕組みが「1週間単位の非定型的変形労働時間制」です。

忙しい日にはある程度長く働く代わりに比較的忙しくない日は休日とする労働時間を短くすることで、労働者にとっては、メリハリのある勤務ができ、経営者にとっては割増賃金の削減ができるといった効果を得ることが期待されます。

・対象業種

対象となる事業は小売業・旅館・料理店・飲食店で、常時使用する労働者数が30人未満の事業であること。「30人未満」とは常態として30人未満の労働者を使用しているという意味であり、時として30人以上となる場合は除かれます。

・労使協定が必要

労使協定において、1週間の所定労働時間として40時間以内の時間を定めることを要件とし、その労使協定を所轄の労働基準監督署に届け出ることとします。

また、各日の労働時間は(1週40時間の範囲内で)1日10時間を限度とします。「1日10時間」とは事前通知によって労働させることができる時間の限度であり、時間外労働をさせる場合には、別途36協定を締結することが必要となってきます。

・各日の労働時間はいつ決めるか

各日の労働時間については、その前週末までに書面で通知します。つまり1週間を暦週で区切ってる場合、その1週間がはじまる前日、遅くとも前の週の土曜日までにその週の各日の労働時間を定めて、労働者への通知が必要となります。

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