社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2018年6月

高額療養費と限度額適用認定申請   [ 2018.06.27 ]

医療保険制度の加入者が入院などで同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、高額療養費としてあとで払い戻されます。自己負担限度額は、収入や年齢により決められています。

70歳未満の場合:

標準報酬月額83万円以上の方→252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

標準報酬月額53万~79万円の方→167,400円+(総医療費-558,000円)×1%

標準報酬月額28万~50万円の方→80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

標準報酬月額26万円以下の方→57,600円

被保険者が市区町村民税の非課税者等→35,400円

70歳以上の場合、別の基準があります。また、複数回該当した場合、多数該当扱いとして限度額基準が下がることがあります。

限度額適用認定申請

高額療養費制度は、医療費を先に支払い、あとから申請いただくことにより自己負担限度額を超えた額が払い戻されます。しかし、あとから払い戻されるとはいえ、一時的な支払いは大きな負担になります。

そのため、70歳未満の方が「限度額適用認定証」を保険証と併せて医療機関等の窓口に提示すると、1ヵ月 (1日から月末まで)の窓口でのお支払いが自己負担限度額までとなります。言い換えると、入院などで医療費が増えそうな場合、事前に限度額適用認定証を申請しておけば、先の自己負担限度額までしか医療費を窓口負担しなくてよくなるということです。

介護休業に対してどのような給付があるか   [ 2018.06.20 ]

家族の介護のために仕事を休まなければならない場合、一定の条件下で雇用保険から介護休業給付を受けることができます。その内容について整理しましょう。

・介護休業給付の支給対象となる介護休業とは

介護休業給付金は、以下の1.及び2.を満たす介護休業について、支給対象となる同じ家族について93日を限度に3回までに限り支給されます。

1.負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態にある家族を、介護するための休業であること。

対象家族は、被保険者の、「配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)」「父母(養父母を含む)」「子(養子を含む)」「配偶者の父母(養父母を含む)」「祖父母」「兄弟姉妹」「孫」。

2.被保険者が、その期間の初日及び末日とする日を明らかにして事業主に申し出を行い、これによって被保険者が実際に取得した休業であること。

・介護休業給付の受給要件

介護休業給付の受給資格は、介護休業を開始した日前2年間に雇用保険の被保険者期間が12か月(※)以上必要となります。

なお、介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月(※)ない場合であっても、当該期間中に本人の疾病等がある場合は、受給要件が緩和され、受給要件を満たす場合があります。

(※)介護休業開始日の前日から1か月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日ある月を1か月とする。

・介護休業給付の金額

介護休業給付の1支給単位期間ごとの給付額(※1)は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」により、算出します。ざっくりいうと、休む前の給与の3

分の2程度が支給される計算になります。

正確な金額はハローワークにご提出いただく雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書により、休業開始時賃金日額が確定し、算出されますが、1支給単位期間において、介護休業期間を対象とした賃金の支払いがない場合の支給額は、介護休業開始前6か月間の総支給額により、概ね以下のとおりです。

・平均して月額15万円程度の場合、支給額は月額10万円程度

・平均して月額20万円程度の場合、支給額は月額13,4万円程度

・平均して月額30万円程度の場合、支給額は月額20,1万円程度

着替えの時間は労働時間なのか   [ 2018.06.15 ]

会社の作業着に着替えている時間については、労働時間であるか否かがよく議論になります。同様に、お昼休みの電話番の時間や、始業前の掃除の時間なども労働時間性の有無の判断が難しいところです。

以下、それぞれの場合の労働時間性について解説します。

・着替えの時間

会社が指定した場所で、指定した作業着に着替えるための時間は労働時間となる可能性が高いでしょう。宅配業者や金融機関の受付業務など、会社のユニフォームで通勤することがふさわしくない職種では、特定の場所に着替えることを命令せざるをえないでしょう。着替え場所や時間について指揮命令関係がない場合は労働時間でないこともありえます。

・お昼休みの電話番

休憩とは、労働から解放されている時間です。解放されているかどうかは①業務上の緊張を求められないか②場所が拘束されていないかなどをもとに判断します。事務所で電話番をする時間は場所を拘束されていますし、電話が鳴ったら出なければならないわけですから労働時間とみなすべきでしょう。

・掃除時間

掃除時間についても前述の内容と同様に、会社の指揮命令下にあったかどうかが重要な判断ポイントになります。開店準備で掃除をする場合、やはりそれは業務の一環とみなすことが多いでしょう。

・労働時間である場合の影響

これらの時間が労働時間となった場合、2つの影響があります。1つはその時間分の給与の支払い義務が発生すること、もう一つはその時間中の事故が労災の対象になるということです。このように判別が難しい時間がある場合は、その時間の指揮命令の程度をもとに検討し、早めに対応を検討すべきでしょう。

雇用保険の適用拡大について   [ 2018.06.13 ]

平成28年12⽉末までは、「⾼年齢継続被保険者」となっている場合を除き雇用保険は適用除外でした。しかし、近年の労働力人口の減少や「1億総活躍社会」の流れから、平成29年1⽉1⽇以降、65歳以上の労働者についても、「⾼年齢被保険者」として雇⽤保険の適⽤の対象となりました。

・平成29年1⽉1⽇以降に新たに65歳以上の労働者を雇用した場合

雇用保険の適用要件に該当する場合は、事業所管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」(以下「資格取得届」という。)を提出してください。

・平成28年12月末までに65歳以上の労働者を雇用し平成29年1⽉1⽇以降も継続して雇⽤している場合

雇用保険の適用要件に該当する場合は、平成29年1⽉1日より雇用保険の適用対象となります。事業所管轄のハローワークに「資格取得届」を提出してください。

・平成28年12⽉末時点で⾼年齢継続被保険者である労働者を平成29年1⽉1⽇以降も継続して雇用している場合、ハローワークへの届出は不要です(⾃動的に⾼年齢被保険者に被保険者区分が変更されます。)。

高年齢継続被保険者とは、65歳に達した日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されている被保険者です。

雇用保険の適用条件とは、①1週間の所定労働時間が20時間以上であり、②31⽇以上の雇⽤⾒込みがあること、の二つです。

高年齢者の活用の場を企業として今後ますます考えていかなければなりません。

残業代の計算について   [ 2018.06.08 ]

残業代(残業手当)とは法定勤務時間時間を超過して勤務した時に支払われるものです。労働基準法により、会社に勤める社員の法定勤務時間の上限は1日8時間、週40時間と決められています。しかし、忙しい時期などは定時上がりができず、1日に8時間を超過して勤務した場合、残業扱いになります。

そして残業には、「法定外残業」と、「法定内残業」2種類があります。

種類

「法定外残業」とは、法律で定められた法定労働時間を過ぎて勤務した場合の残業を言います。一方で、法定労働時間の中に収まっているが会社の所定労働時間を超えて労働した場合の残業は「法定内残業」と呼ばれています。

法定時間外労働の残業時間の計算

残業代の計算のためにはまず1時間当たりの計算単価を求めます。

時間給の場合:時間給=単価

日給の場合:日給÷所定労働時間(法定労働時間内)=単価

月給の場合:月給÷(所定労働日数×所定労働時間)

このうち、月給の場合は基本給だけでなく手当も含みます。ただし、実費弁償的な意味合いの大きい手当(通勤手当、家族手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当)や、臨時に支払われる大入り袋などの手当は計算単価から除いて計算することができます。

計算単価に対して、法定残業の場合は125%以上(月間60時間以上の場合150%以上※中小企業特例あり)の割増率を乗じます。一方で法定内残業をした場合は、時間数に、会社規定の1時間あたりの単価をかければいいだけです。

試用期間中であれば、社会保険に加入させなくても良いのか?   [ 2018.06.08 ]

「試用期間中だから社会保険や雇用保険をかけなくて良い」というのは誤解です。

正社員、アルバイト、パートタイマー、契約社員などの呼び名はたくさんありますが、その呼称や給与額に応じて社会保険が適用されるものではありません。

社会保険は「原則は全員被保険者となる、ただし労働時間や労働日数が通常の労働者(常用労働者)と比べて一定以上短い(4分の3未満)場合、または臨時の雇用の場合は対象から外すことができる」という形になっています。

臨時の雇用の場合とは、次の通りです。

・日々雇い入れられる者(1ヶ月を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)
・2ヶ月以内の期間を定めて使用される者(2ヶ月を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く)
・事業所又は事務所で所在地が一定しない者に使用される者
・季節的業務に使用される者(継続して4ヶ月を超えて使用されるべき場合を除く)
・ 臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6ヶ月を超えて使用されるべき場合を除く) 等

試用期間中は本採用を前提に設けられており、2か月を経過した後に正社員として雇用することを前提にしているのであれば、最初から社会保険に加入することになるのが通常でしょう。

短い場合も対象となる場合

法改正により、勤務時間・勤務日数が、常時雇用者の4分の3未満であっても、以下の①~⑤全ての要件に該当する場合は被保険者になります。

① 週の所定労働時間が 20 時間以上あること
② 雇用期間が 1 年以上見込まれること
③ 賃金の月額が 8.8 万円以上であること
④ 学生でないこと
⑤ 被保険者数が常時 501 人以上の企業に勤めていること

最新記事

カテゴリ別

月別記事

サービス案内

お役立ちコラム 新着記事

社会保険労務士法人ティグレ

  • 東京
  • 〒160-0023
  • 東京都新宿区西新宿6-12-1
    パークウェストビル10F
  • 電話:03-5321-6346
  • FAX:03-5321-5724
  • 大阪
  • 〒540-0012
  • 大阪市中央区谷町2-6-4
    谷町ビル8F
  • 電話:06-6943-9338
  • FAX:06-6943-9339
  • 名古屋
  • 〒460-0002
  • 名古屋市中区丸の内1-17-29
    NFC丸の内ビル9F
  • 電話:052-205-7209
  • FAX:052-205-7206

事務所案内の詳細

お問い合わせフォーム

ティグレグループ リンク