社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2018年10月

就業規則について   [ 2018.10.31 ]

常時10人以上の労働者を使用している事業場では就業規則を作成しなければなりません。

また、作成した就業規則は労働者代表の意見を聴き、その意見を添付して、所轄労働基準監督署長に届けでなければなりません。変更した場合も同様です。

「常時10人以上の労働者」には、パートタイム労働者やアルバイト等も含まれます。

就業規則には、職場の秩序を保ち、労働条件の安定と経営の安定に役立つとともに、無用なトラブルを防ぐメリットがありますので9人以下の事業場でも作成をするように努めた方がいいと思います。

就業規則の作成では記載しなければならない事項と定めをする場合に記載しなければならない事項があります。

就業規則は労働基準法等の法令又は労働協約に反してはなりません。また、就業規則で定める基準に達しない労働契約はその部分については無効とされます。

就業規則は事項毎に別規則(例えば賃金規則)とする事もできます。

労働者の一部について、他の労働者と異なる労働条件を定める場合に、別個の就業規則(例えばパートタイム労働者就業規則)を作成するときは、本則に委任規定を設ける事は望ましいでしょう。

制定に際しては労働者代表の意見の徴収が必要となります。意見を聴く労働者代表とは事業場の過半数で組織する労働組合があればその労働組合、そのような労働組合が無ければ事業場のパートタイム労働者やアルバイト等を含む全労働者の過半数を代表する者の事です。

労働条件の履行確保状況に関する調査について   [ 2018.10.24 ]

労働基準監督署が重点業種を選定して書面の通知書が届き労務の調査をします。
調査項目は労基法の基本部分でもある下記となります。
労基法第15条
労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間等の法定事項を書面の交付により明示していない事
労基法第89条
常時10人以上の労働者を使用しているにも関わらず、就業規則を作成(変更)し、所轄労働基準監督署に届出ていない事
労基法第108条
賃金台帳を調製していない事。賃金台帳に労働時間、労働日数を記入していない事
労基法第32条
時間外労働に関する協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届出ていないにも関わらず法定労働時間を超えて労働させている事
労基法第35条
休日労働に関する協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届出ていないにも関わらず法定休日に労働させている事。
労基法第24条
書面による協定を締結していないにも関わらず●●を賃金から支払っている事
労基法第37条
●●を割増賃金の基礎となる賃金に算入していない事
安衛法第66条
労働者に対し1年以内毎に1回、定期に健康診断を行っていない事(深夜業務に従事する労働者は6カ月以内毎に1回)

提出を要求される資料は下記となります。
・就業規則
・賃金台帳
・タイムカードや出勤簿等、労働時間の記録がわかるもの
・36時間外協定
・変形労働時間制の届け出
・雇い入れ通知書
・賃金が最も低い者の資料
・健康診断の結果報告書
労務の基本でもありますので調査に備えるのでは無く日頃からの整備を心掛けましょう。

社会保険料納付と喪失時期(末日か、その前か)について   [ 2018.10.17 ]

月の末日か、その1日前の日に退職するのかでは1ヶ月分の社会保険料を払うか払わないかで従業員の資格喪失時期による差が生じる事はあります。
そもそも社会保険料の徴収に日割りは無く、月末に所属していれば保険料を支払う仕組みになっています。
ちなみに社会保険の資格喪失は退職日の翌日であり、これにより月末1日前退職は月末に喪失、月末退職は翌月1日に喪失、となります。

その為に月末1日前の退職の方が末日に所属しているという事実がなくなり、社会保険料の発生も無くなるという考えになります。

しかし、月末1日前に退職した場合その末日の1日は国民健康保険の被保険者ということになり国民健康保険料の徴収にも日割りはないのでその1日の為だけに、国民健康保険への切り替えを行い1ヶ月分納めなければならないことになります。次の就職先で1日の空白も無く、末日から資格取得ができるのであれば問題無いのですがそうはならないといった場合は国民健康保険への切り替えをしないと、退職月分の国民年金保険料が未納になり、将来の年金に影響してしまいます。

会社の保険料的には◎という事になりますが退職者の年金的な面には配慮が必要となります。全てとは言えませんが退職する事で感情的になりがちですので、やむを得ない理由が生じない限りは会社と退職者との話合いの上で取りまとめることが必要な事と感じます。

最低賃金と労働時間について   [ 2018.10.10 ]

最低賃金は各都道府県で設定されています。正社員はもちろん、パート、学生アルバイト関係なく、とにかく働く人に対し経営者は、設定以上の額を支払わなければ、最低賃金法違反となります。この違反には、50万円以下の罰金が定められています。

最低賃金は時給での提示となっているので、時給制の人は違反かどうか一目瞭然で分かりやすくいいのですが月給制の人は、いろいろ計算する必要があります。特に、基本給15万円~17万円(東京都参照)くらいの従業員は確認をしておいた方がいいでしょう。

「時間あたりの賃金」(時給)を計算するには。まず、会社の「年間所定労働日数」、つまり1年間のうち、何日間の出勤日があるのかを確認します。こちらの確認方法は年間休日日数を算出して365日から年間休日日数を引くのが分かりやすいかと思います。

「年間所定労働日数」に「1日の所定労働時間数」をかけます。これで、1年間の労働時間が計算されます。この数字を12ヶ月で割れば、「1ヶ月あたりの平均所定労働時間」となります。

あとは月給額を、この「1ヶ月あたりの平均所定労働時間」で割れば、時給が算出されます。この金額が、各都道府県で設定されている最低賃金より多ければ大丈夫ですが少なければ、違法状態ですから、会社は対策を取らなければなりません。

対策といっても賃金を上げるか休日を増やすかのどちらかになりますが、繁閑の差がある場合などは閑にあたる時期の業務時間を少なめに調整するなどの処置も考えられます。

災害時における労働時間及び休日出勤   [ 2018.10.03 ]

災害などの緊急時には労働時間の大幅な延長が必要となる場合が起こりえます。しかしながら、労働基準法では、労働時間の原則として1日8時間以内、1週40時間以内を定めています。また、休日についても週1日以上与えなければならないことを事業主に課しています。36協定においては1日に延長することができる時間数の上限を定めており、原則としてはその時間を超えて労働させることはできないこととなっています。

しかし有事の際には労働基準監督署長の許可(事態が急迫している場合は事後の届出)により、必要な範囲内に限り時間外・休日労働をさせることができるとされています。

ただしこれは、災害、緊急、不可抗力その他客観的に避けることのできない場合の規定ですので、厳格に運用されます。

災害その他避けることのできない理由にあたるかについては、被災状況、被災地域の事業者の対応状況、労働の緊急性・必要性などをふまえて個別具体的に判断することになります。

ただし、必要な範囲内に限り認められるものですので、過重労働による健康障害を防止するため、実際の時間外労働時間を月45時間以内にするなどの配慮が及びます。

当然ながら、時間外労働・休日労働や深夜労働についての割増賃金の支払は必要となります。

また、やむを得ず長時間にわたる時間外・休日労働を行わせた労働者に対しては、医師による面接指導等を実施し、適切な事後措置を講じることが重要です。

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