社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2019年2月

通勤中の事故は労災保険もしくは自賠責保険どちらへ請求するべきか   [ 2019.02.27 ]

仕事や通勤中に交通事故に遭うことは自動車を利用する労働者にとって決して他人事ではありません。

実際、通勤・業務中に交通事故に遭い被害者となった場合、全ての車両に強制加入が義務付けられる自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)と労働者災害補償保険(労災保険)を使用することができます。

自賠責保険・労災保険の併用はできるか?

通勤・業務中に交通事故に遭った場合、二通りの請求権を有することは上述の通りですが、基本的に双方の併用は認められておりません。

双方とも管轄は違えど、国が補償する制度(労災:厚生労働省、自賠責:国土交通省)のため、重複して損害の補填がなされないよう支払の調整を行っているためです。

(ただし、補償範囲が被らない場合、自賠責の限度額を超える部分については労災保険との併用請求ができる場合もあります)

自賠責保険と労災保険どちらを優先して請求すべきか

保険の選択の優先順位に関して、厚生労働省は以下のような通達を出しています。

「労災保険の給付と自賠責保険の損害賠償額の支払との先後の調整については、給付事務の円滑化をはかるため、原則として自賠責保険の支払を労災保険の給付に先行させるよう取り扱うこと」(昭41年12月16日付け基発1305号)

しかしあくまでも通達であるため、「推奨」に留まり、法的拘束力はありません。つまり労災保険と自賠責保険の選択権は被災者にあります。

選択する自由が与えられていたとしても、それではいったいどちらを優先して使用すればいいかという問題になります。

一般的には、自賠責保険の方が労災保険に比べ、仮渡金制度や内払金制度など損害補償額の支払いが事実上速やかに行われること、補償範囲が幅広い(慰謝料や療養費の対象等)為、有利と言われています。

労災保険を優先した方がいいケース

一般的には自賠責を優先させた方が有利ですが、中には労災を優先させた方がいいケースもあります。

① 自分の過失割合が大きい場合、過失割合において争いがある場合

自賠責保険において、交通事故における過失責任が7割以上となるばあいについては自賠責保険の支払額が減額されます。

一方で、労災保険に過失責任の概念はなく、過失割合に応じての減額がなされないため、過失割合が7割以上と認められる場合、相手方と揉めている場合は労災を適用したほうが良いでしょう。

② 相手が無保険、もしくは対人補償が不十分な場合

何らかの理由で相手が無保険である場合、自賠責保険の適用はありません。また自賠責保険の限度額があり、限度額を超える場合、相手の任意保険にも請求ができます。ただし相手方の任意保険の限度額での補償しか受けることができないので、その場合には労災保険を優先させた方がいいでしょう。

振替休日と代休の違い   [ 2019.02.20 ]

振替休日」と「代休」、本来休みの日に出勤させる代わりに他の日に休みを与えるものであり、一見双方ともに同じ意味合いのように思えます。しかしながら、法律上の取り扱いが全く異なる「別物」となります。振替休日とは?

「振替休日」とは「休日」を予め「労働日」と変更し、代わりに他の「労働日」を「休日」へと変更することを言います。

「振替休日」を行った場合、通常休日とされている日に社員を出勤させたとしても、休日出勤は「労働日」として取り扱われることになり、「休日労働」には該当しません。

振替休日における割増賃金について

「休日労働」には該当しない為、「休日労働」に対する割増賃金(3割5分以上)の支払い義務は発生しません。ただし、「振替休日」が週をまたぎ、勤務週の労働時間が40時間を超える場合、別途「時間外労働」としての割増賃金(2割5分以上)の支払い義務が生じますのでご注意ください。

代休とは?

一方の「代休」とは、「休日労働」が実際に行われた後に、代わりに「休日」を設けることをいいます。事後に「休日」を与えたとしても「休日労働」の事実が消えたことにはならず、割増賃金の支払い義務が生じます。

代休における割増賃金について

「代休」の割増賃金支払い義務ですが、「休日労働」が「法定休日」(労働基準法で定められた「週1回または4週に4回」与えなければならない休日)に行われたか、「法定外休日」(会社が任意で制定した法定休日を上回る日数の休日)に行われたかによって割増率に差異が生じます。

「法定休日」の場合、割増賃金が3割5分以上の割増率で計算しなければなりませんが、「法定外休日」の場合、週40時間の労働時間を超える場合、「時間外労働」として2割5分以上の割増率が発生することになります。

年次有給休暇の基準日の設定について   [ 2019.02.13 ]

労働基準法39条1項によれば「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し前労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない」としています。

原則としては労働者の入社日を基準にして有給休暇を付与します。その場合、社員一人一人を個別に管理する必要があり非常に煩雑かつ手間がかかります。そこで事務の簡素化の観点から一定の要件を満たした場合、全労働者に対し一律の基準日を定めて有給休暇を付与することを認めています。

一定の要件とは、

① 斉一的取扱により法定の基準日以前に付与する場合、付与要件である8割以上の出勤について短縮された期間は全期間出勤したものとみなすこと。

② 次年度以降の年次有給休暇の付与日についても、初年度の付与日を法定の基準日から繰上げた期間と同じ又はそれ以上に期間法定の基準日より繰上げること。

つまり、基準日を設ける場合は労働者に不利益にならないよう常に前倒しして有給休暇を付与しなければなりません。

毎年4月1日を基準日とした場合

平成29年5月10日に入社した社員の事例を考えてみましょう。労働基準法上、1年6箇月経過する平成30年11月10日の時点に11日の有給休暇が付与されます。

したがって、上記要件を満たすためには、平成30年4月1日には11日の有給休暇が前倒しで付与されることになります。

年次有給休暇の基準日を設ける上で

基準日を設ける際、前述の通り前倒しをして有給休暇を与えるため、入社時期のずれによって不公平感が生じやすくなります。基準日を年2回設けることにより不公平感を軽減する策もあります。会社の実状に合わせ、管理の煩雑さ、労働者の公平を保てる方法を模索することが大切になります。

年次有給休暇の時季指定義務   [ 2019.02.06 ]

50%に満たない年次有給休暇の取得率を2020年までに70%以上に引き上げる事を目標とし2019年4月から適用されます

年次有給休暇の時季指定とは取得時季を「使用者」が指定することをさします。

これまでは労働者が請求する時期に取得させるものとされてきましたが、取得率がなかなか上がらないため、取得時季を指定することを使用者の義務とし、一定の日数の年次有給休暇を取得させる仕組みです。

対象となる労働者は年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者が対象となりますので正社員でなくても、パート・アルバイト等のいわゆる非正規社員も対象となります。また、管理監督者もその対象に含まれます。

時季指定の対象となるのは、付与されている年次有給休暇のうち年5日となります。年は原則として付与日から1年間を指します。

なお、本人からの請求を受けて取得した日数や計画的付与によって取得した日数がある場合は、その分も含めて年5日取得させればよく、この場合、使用者の時季指定の対象となるのは、5日からその日数を差し引いた日数となります。

時季指定にあたり注意すべき点は使用者が取得時季を指定するにあたっては、あらかじめ、労働者の意見を聴かなければなりません。なお、労働者の意見を踏まえてできる限り労働者の希望に沿った取得時季を指定するよう努める義務はありますが、労働者の希望通りの日を取得時季に指定しなければならないというものではありません。

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