社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2019年11月

非常勤役員の社会保険加入について   [ 2019.11.27 ]

非常勤役員がいて報酬が発生している場合、社会保険への加入義務はあるのでしょうか。

また、加入に報酬額の基準はあるのでしょうか。

 

こちらについては、過去に旧厚労省より以下通知が出ております。

 

・役員で、法人から労務の対象として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者とする。

(補足)役員には一般の労働者に適用される労働時間等の社会保険加入非加入の条件は適用されません。

労務の対象として報酬を受けている法人の役員かどうかについては、その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつ、その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものであるかを基準に判断するとされています。

 

少しわかりづらいですが、日本年金機構からは以下具体例が挙げられており、該当数によっては社会保険加入義務があります。

 

1.当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか。

2.当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか。

3.当該法人の役員会等に出席しているかどうか。

4.当該法人の役員への連絡調整または職員に対する指揮監督に従事しているかどうか。

5.当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか。

6.当該法人等より支払を受ける報酬が社会通念上労務の内容に相応したものであって実務弁償程度の水準にとどまっていないかどうか。

 

つまり、非常勤かどうかは自社で勝手に決めるものではなく、上記項目の総合判断によって判定されます。こちらを見る限り、報酬額は明記されておりません。

なお、代表取締役は非常勤とは呼べませんので、報酬が発生している限りは社会保険に加入する必要があります。

 

役員で社保未加入者がいるようでしたら、上記1から6を客観的に証明できるように、役員会の議事録、役員の報酬(費用)規程、他の会社の常勤性を証する書類等を整えておくとよいでしょう。

育児休業終了日と雇用保険の育児休業終了日の違いについて   [ 2019.11.20 ]

育児休業終了日と雇用保険の育児休業終了日の違いについて

 

育児休業を取得する場合、育児休業延長を請求する場合を除き、原則としては出産したお子様が1歳になるまでとなっております。

出産を予定している労働者に対しては、お子様が1歳になるまで(厳密には1歳誕生日の前日※後述参照)休業出来るご案内をすることになります。

 

但し、手続きにあたっては、社会保険の保険料免除申請と雇用保険の育児休業給付申請において終了日が異なることになりますので、注意が必要です。

 

社会保険の保険料免除を申請する際は、終了日はお子様の1歳の誕生日の前日ですが、雇用保険の育児休業給付の終了日はお子様の誕生日の前々日となります。

何故、このように育児休業の取り扱いに違いがあるのか、根拠条文等みていきましょう。

 

まず、社会保険の免除申請の根拠となっているのは、

育児・介護休業法の第9条となります。

 

育児休業第9条によれば、育児休業期間は労働者本人が請求した期間が原則となりますが、「育児休業申し出に係る子が1歳に達した」場合は育児休業が終了すると規定されています。

 

冒頭で社会保険料免除は1歳の誕生日の前日と述べましたが、1歳に達したとき、というのは、1歳の誕生日まで休業を申し込める気もしてしまいます。

 

しかし、この点、「年齢計算二関する法律」によって、年齢の起算日について規定されています。同法律によりますと、「年齢の起算日は出生日とする」と明文されております。したがって、「子が1歳に達した」というのは、厳密に申し上げますと、「1歳の誕生日の前日」となります。

 

こういうわけで社会保険の育児休業保険料免除の終了日は1歳の誕生日の前日までということになります。

 

一方で雇用保険の場合、育児休業給付金について

雇用保険法第61条に以下のような規定があります。

 

(育児休業給付金)第六十一条の四  育児休業給付金は、被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下この款及び次款において同じ。)が、厚生労働省令で定めるところにより、その一歳(その子が一歳に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、一歳六か月)に満たない子を養育するための休業をした場合において、当該休業を開始した日前二年間(当該休業を開始した日前二年間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、支給単位期間について支給する。

 

大事なところを抜粋すると、「育児休業給付金はその1歳に満たない子を養育するための休業」する期間について支給するとのことです。

 

 

「1歳に満たない子」とは具体的には、1歳(1歳に達した)に満たない(未満)子

と読み解くことが出来、前述の「年齢ニ関する法律」の起算日を同様に考えると

1歳の誕生日の前日未満の子すなわち、1歳の誕生日の前々日という風になります。

 

社会保険と雇用保険で育児休業に係る申請の終了日が異なることは混乱しがちですが、

こうした法律の解釈を把握することで、少しでも覚えやすくなりそうです。

未払い残業代を遡って支給した場合の社会保険料について   [ 2019.11.13 ]

未払い残業代への関心は、年々高まっており、従業員より未払い残業代の請求をされている会社が多く見受けられます。

労働基準監督書が調査を行う際には、タイムカードと賃金台帳を見比べたり、パソコンの記録の確認も行われるようになりました。

 

労働基準監督署の調査において、実際に未払い残業代があったことを指摘され、遡って残業代を支払うことがあります。

 

その際、社会保険料の取扱いはどうなるのかが問題となりますが、これについて日本年金機構では以下の取扱いを行うよう疑義照会として明示されています。

 

Q:労働基準監督署の是正勧告により未払い残業代が遡って支払われることになった際、各月それぞれの支給額を確認したうえで、算定基礎届等の訂正が必要となるのか。また、未払い分が一時金として支給される場合において、各月それぞれの支給額を算出することが困難な際はどのようにすべきか。

 

A:各月それぞれの支給額を確認したうえで、算定基礎届の訂正が必要となります。ただし、未払い分を一時金として支給する場合において、各月それぞれの支給額を算出することが困難な場合には、当該一時金に対する賞与支払い届の提出が必要となります。

 

未払い残業代を支払う必要がない体制作りが1番ですが、仮に支払うことになった際は、社会保険料も考慮しなければなりません。

社会保険料は本人負担分もありますので、徴収方法は本人と相談するなどの対応も必要になるでしょう。

社会保険の月額変更届とは   [ 2019.11.06 ]

毎年1回の定時決定により決定された各自の標準報酬月額は原則として1年間使用されますが、昇給や降給等により、報酬額に大幅な変動があった際は、実際にうける報酬と標準報酬月額との間に隔たりがないように見直します。この見直しによる届出を「月額変更届」と言います。

月額変更届が必要なとき

以下、3つの条件を全て満たした時に届出を行います。

【1】昇給又は降給等により固定的賃金に変動があった

【2】変更月以後、3ヵ月とも支払い基礎日数が17日以上ある

【3】変動月から3ヵ月間の報酬の平均額と現在の標準報酬月額に2等級以上の差がある

固定的賃金の変動とは

支給額や支給率がきまっているものを言い、以下のような変動が考えられます。

・昇給、降給(基本給・役職手当・家族手当等の変更)

・給与体系の変更(時給から月給への変更等)

・日給や時給の基礎単価(日当、単価)の変更

・請負給、歩合給等の単価、歩合率の変更

残業手当・精勤手当・歩合給等が各月で変動があったとしても固定的賃金には該当しません。

例えば、毎月10日支給の会社で、以下のように5月10日から給与変動があった場合を見ていきましょう。

・現時点の標準報酬月額200,000円

・3ヶ月とも17日以上の基礎日数あり

4月10日

5月10日

6月10日

7月10日

基本給

200000円

230000円

230000円

230000円

残業代

5000円

6000円

5000円

3000円

合計

205000円

236000円

235000円

233000円

【1】5月10日から基本給(固定的賃金)が変動している

【2】変動月以後、3ヵ月とも支払い基礎日数が17日以上ある

【3】5月10日~7月10日の3ヵ月合計の平均は約234,666円になり、これは240,000円の標準報酬月額に該当する。現状の200,000円と比較した場合、2等級以上の差がある

上記により、3つとも条件を満たすため月額変更届を提出します。

月額変更には、他にも細かな要件がありますが、まずは自社の昇給時期等で固定給変動があるタイミングに気を付けるようにしましょう。届出ができてないために社会保険料は以前のままというケースも多く見受けられますので、注意してください。

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