社会保険労務士法人ティグレのお役立ちコラム

2020年1月

育児休業中に有給休暇を取得できるか   [ 2020.01.29 ]

育児休業中に有給休暇を取得できるか

育児休業中等に有給休暇の有効期限が到来するなどで従業員より、育児休業中の有給休暇が取得できるのか、疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。

 

結論から申し上げますと、原則的には、育児休業期間中に有給休暇を申請することは出来ません。

 

この点について、厚生労働省より以下の通達が出ております。

「年次有給休暇は、労働義務のある日についてのみ請求できるものであるから、育児休業申出後には、育児休業期間中の日について年次有給休暇を請求する余地はないこと。(以下略)」

 

有給休暇の性質上、労働日に休みをもらうものであり、育児休業等で、予め労働義務が消滅している場合には、有給休暇は申請することすらできないということになります。

 

但し、いかなる場合にも有給休暇が取得できないわけではありません。

育児休業を申請する前に、予め、有給休暇の取得が決定している場合には、有給休暇が優先されます。(育児休業給付金の給付決定額の調整対象にはなります。)

 

参考:厚生労働省通達

「また、育児休業申出前に育児休業期間中の日について時季指定や労使協力に基づく計画付与が行われた場合には、当該日には年次有給休暇を取得したものと解され、当該日に係る賃金支払日については、使用者に所要の賃金支払の義務が生じるものであること。」

 

育児休業中の就労との関係

育児休業中、10日(10日を超える場合には80時間以下)であれば、一時的・臨時的に就労したとしても、育児休業として認めらます。

このような状況下で、1日4時間で月20日勤務するシフトをした場合、シフト日を有給休暇として、申請出来るのでしょうか?

 

結論から言いますと、このような場合でも、有給休暇を取得することは出来ません。

 

そもそも、短時間でのシフトを組んで仕事をした場合には育児休業でいう、一時的・臨時的に就労する場合とはみなされず、育児休業からの復帰とみなされます。

 

一時的・臨時的就労とは、

大災害で出社できない従業員の臨時対応で就労する場合や、突発的な事態に対応する為、休業中の本人にのみ対応可能な場合等の就労と認めているからです。

 

在宅勤務や時短での勤務は、恒常的・定期的労働と認められる可能性が高く、育児休業の終了とみなされる場合がございますので、注意しましょう。

介護休業給付の解説   [ 2020.01.27 ]

家族を介護するために休業する場合、雇用保険から休業補償される制度があります。これを介護休業給付金と言います。

 

対象者

介護休業給付金ができるのは、要介護状態にある対象家族を介護する雇用保険被保険者です。原則として12ヶ月以上の雇用保険加入実績が必要になります。

 

・日々雇い入れられる者は除かれます。

・期間を定めて雇用される者は、申出時点において、次のいずれにも該当すれば介護休業をすることができます。

① 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること

② 取得予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までの間に、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと

・労使協定で定められた一定の労働者も介護休業をすることはできません。この法律の「介護休業」とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態(「要介護状態」)にある対象家族を介護するためにする休業をいいます。


対象家族の範囲

対象家族の範囲は、配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含みます。)、父母及び子(これらの者に準ずる者として、祖父母、兄弟姉妹及び孫を含みます。)、配偶者の父母です。

 

給付日数と給付額

介護休業給付金は対象家族ごとに93日を限度として給付されます。この介護休業給付は一括で取得できるほか、3回を限度として分割で取得することができます。

介護休業給付金の金額は、休業前の賃金のおよそ3分の2です。

 

申請

介護休業給付の申請は、ハローワークに対して行います。申請の際には申請書の他、直近の賃金月額証明書、続柄を示す書類などを添付します。

労働者死傷病報告の提出について   [ 2020.01.22 ]

労災事故が起きたとき、被災者のために療養保障給付や休業補償給付などの「給付」の申請を会社が行いますが、その他、監督署への「事故報告」も必要です。

 

労働災害等により労働者が死亡又は休業した場合には、遅滞なく、「労働者死傷病報告」を労働基準監督署長に提出しなければなりません。

 

提出が必要な場合

死傷病報告は以下の場合に提出が必要です。

(1)労働者が労働災害により、負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき

(2)労働者が就業中に負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき

(3)労働者が事業場内又はその附属建設物内で負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき

(4)労働者が事業の附属寄宿舎内で負傷、窒息又は急性中毒により死亡し又は休業したとき

 

ただし、休業が4日未満の労働災害の場合は、は四半期ごとに簡易的に報告すれば事足りるとされています。(ただし爆発や火災などの大きな事故の場合には休業がなくても事故報告が必要です。

 

基本的には「休業補償給付を申請するくらいの労災事故=4日以上の休業を伴う労働災害であるため、すぐに監督署への報告が必要」と覚えておくと良いでしょう。

 

なお、通勤災害の場合、それが会社の敷地内などの事業場内である場合を除いて、死傷病報告は不要です。

 

目的

労働者死傷病報告は、労働災害統計の作成などに活用されており、提出された労働者死傷病報告をもとに労働災害の原因の分析が行われ、同種労働災害の再発を防止するための対策の検討に生かされるなど、労働安全衛生行政の推進に役立てられています。

副業・兼業の促進に関するガイドラインについて   [ 2020.01.20 ]

先日、厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改定のうえ公開されました。昨今の副業・兼業希望者の増加を受けて、労働時間管理や健康管理等について示したものとなります。以下、実務に影響がありそうな箇所をピックアップして紹介します。

 

1、労働時間の通算

・副業・兼業を行う労働者を使用するすべての使用者は、労働時間を通算して管理する必要がある。

・労働時間の通算は、自社の労働時間と、労働者からの申告等により把握した他社の労働時間を通算することによって行う。

 ・ 副業・兼業の開始前に、自社の所定労働時間と他社の所定労働時間を通算して、法定労働時間を超える部分がある場合には、 その部分は後から契約した会社の時間外労働となる。

・ 副業・兼業の開始後に、所定労働時間の通算に加えて、自社の所定外労働時間と他社の所定外労働時間を、所定外労働が 行われる順に通算して、法定労働時間を超える部分がある場合には、その部分が時間外労働となる。

 

2、時間外労働の割増賃金の取り扱い

・上記1の労働時間の通算によって時間外労働となる部分のうち、自社で労働させた時間について、時間外労働の割増賃金を支払う必要がある。

 

3、健康管理

 ・ 使用者は、労働安全衛生法に基づき、健康診断、長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェックやこれらの結果に基づく事後 措置等を実施しなければならない。

 ・ 使用者の指示により副業・兼業を開始した場合は、原則として他社との情報交換により、難しい場合には労働者からの申告により 他社の労働時間を把握し、自社の労働時間と通算した労働時間に基づき、健康確保措置を実施することが適当である。

 

4、労災保険の給付について

・ 複数就業者について、非災害発生事業場の賃金額も合算して労災保険給付を算定する。

・ 複数就業者の就業先の業務上の負荷を総合的に評価して労災認定を行う。

・ 副業先への移動時に起こった災害は、通勤災害として労災保険給付の対象となる。

 

労働時間以外の時間の利用方法は労働者の自由とされているため、副業そのものを禁止することは難しいです。原則的には認める方向で、会社としての副業ルールを明確化しておいた方が良いでしょう。

雇用調整助成金について   [ 2020.01.15 ]

自然災害や経済事情の急な変化、取引先の影響を受けて労働者を休業させる必要がある場合、要件を満たせば雇用調整助成金を受給することができます。休業手当を支払いながら長い間雇用を維持することに対して助成されます。

 

基本的な要件

1、売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。

2、雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。

3、実施する休業や教育訓練などの雇用調整が一定の基準を満たすものであること。

 

確認書類

雇用調整助成金を受給するためには、管轄行政機関に対して「計画届」を提出し、さらに雇用調整の実績に対して「支給申請」をする必要があります。

計画申請に際して、以下に挙げる確認書類が求められます。

 

①雇用調整の実施について労働組合等との間で締結した協定書

②労働者代表の確認のための書類

③会社のパンフレットや商業登記簿謄本など

④生産指標の確認のための書類 最近3か月分及び前年同期3か月分の月ごとの売上高、生産高又は出荷高を確認できる「月次損益計算書」「総勘定元帳」「生産月報」などの書類

⑤ 所定の労働日・労働時間・休日や賃金制度の確認のための書類

a 事業所ごとに定められている、所定労働日・所定休日・所定労働時間等や、賃金締切日等 の賃金制度の規定を確認できる「就業規則」「給与規定」などの書類

b 休業等を実施する事業所であって、変形労働時間制、事業場みなし労働時間制又は裁量労働制をとっている場合は、a に加えて、そのことに関する労働組合等との協定書(企画業務型裁量労働制の場合は労使委員会の決議書)又はその監督署へ届け出た際の届出書の写し

マイナンバーカードの健康保険証利用について   [ 2020.01.13 ]

令和3年3月より、マイナンバーカードを健康保険証として利用できる制度が始まります。

医療機関や薬局の窓口等でマイナンバーカードをカードリーダーにかざすことで、医療保険の資格確認ができるものです。

 

利用メリット

・就職や転職、引っ越しをしても、マイナンバーカードを健康保険証として利用し続けることができる

・限度額適用認定証が無くても、限度額適用が受けられる

・マイナポータルを通じて、確定申告の医療費控除手続き時の医療費情報が自動入力できる

等があります。

 

申し込み方法

マイナンバーカードの交付を受けてない方は、まずは交付申請から始める必要があります。

詳しくは以下をご参照ください

https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou_top.html

 

 

転職時等は、新しい健康保険証の発行にどうしても時間がかかってしまいます。また、高額な医療費を見越して発行する限度額適用認定証も、申請を出してから届くまでにある程度の日数を要します。

これらが解消されるのは便利な制度だと思いますので、興味ある方は申請してみてはいかがでしょうか。

パワハラ防止指針の素案について   [ 2020.01.08 ]

先日、厚生労働省より「職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針に関する素案」が公表されました。あくまで素案ではありますが、以下のようにパワハラに「該当すると考えられる例」が示されております。

なお、以下の例は、行為者と当該言動をうける労働者の関係性を個別に記載してないが、優越的な関係を背景に行われたものであることが前提であるとの事です。

 

■暴行・傷害(身体的な攻撃)

・殴打、足蹴りを行うこと。

・怪我をしかねない物を投げつけること。

 

■脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)

・人格を否定するような発言をすること。(例えば、相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な発言をすることを含む。)

・業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行うこと。

・他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行うこと。

・相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信すること。

 

■隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)

・自身の意に沿わない労働者に対して、仕事を外し、長期間にわたり、別室に隔離したり、自宅研修させたりすること。

・一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること。

 

■業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)

・長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での勤務に直接関係のない作業を命ずること。

・新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責すること。

・労働者に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせること。

 

■業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)

・管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行

わせること。

・気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えないこと。

 

■私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

・労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりすること。

・労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露すること。

 

ただし、個別の事案の状況等により判断が異なる場合はあり得る、また、上記例は限定列挙ではないことに留意が必要との事です。

 

職場におけるハラスメント系の問題は、パワハラの割合が多いのではないでしょうか。上司の熱心な指導が誤解を招くケースもあると思います。正式に指針が出た際は、社内において該当するような言動がないかチェックした方が良いでしょう。

子の看護休暇と介護休暇の時間単位取得について   [ 2020.01.06 ]

育児や介護を行う労働者が、子の看護休暇や介護休暇を柔軟に取得することができるよう、令和3年1月1日から育児・介護休業法が改正され、時間単位で取得できるようになります。

 

子の看護休暇とは

小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、1年に5日(子が2人以上の場合は10日)まで、病気、怪我をした子の看護又は子に予防接種、健康診断を受けさせるための休暇取得が可能です。

 

介護休暇とは

要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う労働者は、1年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)まで、介護その他の世話を行うための休暇の取得が可能です。

 

<改正前>

・半日単位での取得が可能

・1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は取得不可

 

<改正後>

・時間単位での取得が可能

・全ての労働者が取得可能

 

 

*「時間」とは、1時間の整数倍の時間を言い、労働者からの申し出に応じて希望する時間数で取得できるよう求められてます。

*いわゆる「中抜け」なしの時間単位休暇が法令では求められてます。

*法を上回る制度として、「中抜け」ありの休暇取得を認めることも可能です。

*既に「中抜け」ありの休暇を導⼊している企業が、「中抜け」なしの休暇とすることは、 労働者にとって不利益な労働条件の変更になりますのでご注意ください。

→「中抜け」とは、就業時間の途中から時間単位の休暇を取得し、就業時間の途中に再び戻ることを言います。

 

改正内容や就業規則での規定例が厚生労働省のHPにて公開されてますので、早めに確認のうえ規定の変更をしておくと良いでしょう。

最新記事

カテゴリ別

月別記事

サービス案内

お役立ちコラム 新着記事

社会保険労務士法人ティグレ

  • 東京
  • 〒160-0023
  • 東京都新宿区西新宿6-12-1
    パークウェストビル10F
  • 電話:03-5321-6346
  • FAX:03-5321-5724
  • 大阪
  • 〒540-0012
  • 大阪市中央区谷町2-6-4
    谷町ビル
  • 電話:06-6943-9338
  • FAX:06-6943-9339
  • 名古屋
  • 〒460-0002
  • 名古屋市中区丸の内1-17-29
    NFC丸の内ビル9F
  • 電話:052-205-7209
  • FAX:052-205-7206

事務所案内の詳細

お問い合わせフォーム

ティグレグループ リンク